塩原家住宅が国指定重要文化財に決定

文化庁文化審議会は令和元年10月18日(金曜日)、塩原家住宅を国の重要文化財に指定するよう、文部科学大臣に答申しました。
これにより、塩原家住宅が国指定重要文化財になることが決定しました。
本市の建造物が国の重要文化財に指定されるのは、柏倉町の「阿久沢家住宅」、大手町三丁目の「臨江閣」につぎ、3件目です。

指定の概要

今回指定を受ける内容は以下の通りです。

指定の内容
名称 塩原家住宅
員数 3棟
本指定 主屋、裏蔵、稲荷社
附(つけたり) 蚕種保護室 1棟、蚕種冷蔵庫 1棟、変電室 1棟、自動車車庫 1棟、
前蔵 1棟、味噌蔵 1棟、米つき小屋 1棟、作業小屋 1棟
所在地 群馬県前橋市田口地内
所有者 個人(所有者が個人のため、詳細の公表は控えさせていただきます)
年代 主屋 大正元年(1912年)
裏蔵 江戸末期(慶応2年(1866年)以前の可能性あり)
稲荷社 明治40年(1907年)
指定の理由 群馬県及びその周辺において、幕末から明治期にかけて発展してきた蚕種製造民家として地方の特色を顕著に示し、高い価値を有している。
また、敷地内には蚕種製造の工程を伝える一連の建物が残り、明治から戦後に至るまでの近代蚕種製造民家の様相をよく示すものとして重要である。

塩原家住宅について

塩原家住宅は、明治14年頃から「蚕種」業を本格的に生業として開始し、「塩原亦(しおばらまた)」という蚕の一大品種を生み出し、全国的に名を馳せた初代塩原佐平の居宅兼蚕室として、大正元年ころに竣工された建物です。
昭和32年には「塩原蚕種株式会社」の主屋とされ、木造瓦葺き3階建ての主屋は、大きさ、高さともに群を抜き、その存在感は周囲の建物を圧倒しています。
約5000平米の敷地内には、江戸時代から続く名家としての家柄を示す「裏蔵」(土蔵)や、本格的な神社建築の屋敷社の「稲荷社」が建っています。
この他、明治以降の蚕種業に関わる蚕種保護室や蚕種冷蔵庫などの建物、また、蚕種関係の文書も数多く残されています。

注意 今回指定を受ける建物等には、現在も関係者が居住していますので、非公開です。
無断での立ち入りはできません。


塩原家住宅リーフレット(PDF:532.3KB)

市長コメント

本日、国の文化審議会から文部科学大臣に答申があり、塩原家住宅が、国の重要文化財として指定されることになりました。
田口町の小高い丘の上に毅然とたたずむ姿は壮麗であり、明治から昭和にかけて盛んであった蚕糸業の象徴として高い価値を有しています。

本市は、上毛かるたに「県都前橋生糸(いと)の市(まち)」とよまれておりますが、残念ながら現在、その面影を残すものが、少なくなっております。
こうした中、往時のたたずまいを多年にわたり維持されてきた塩原様のご努力に感謝を申し上げますとともに、後世に残したいという篤い思いを市民とともに共有していきたいと考えております。

令和元年10月18日
前橋市長 山本 龍

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更新日:2019年10月18日