はたちのあそびゲストインタビュー 細貝 萌さん

ザスパクサツ群馬

細貝 萌(ほそがい はじめ)

川島:

いつから、サッカーを職業にしようと考えていましたか?そして、夢を叶えるためにどんな努力をされてきましたか?

細貝さん:
中学生の時にU-15の世代別日本代表に選ばれて、海外遠征した際に、海外の同世代の選手と試合をしたことで、とても刺激を受けました。
こういう選手たちと対等に戦うには、まず日本でトップレベルにならないといけないということと、そうなると同世代の選手たちには負けたくない、負けられないという気持ちが芽生えて、日々トレーニングに励みました。

もちろん、小学生の時にも漠然と「サッカー選手になりたいな」とは思っていましたが、その世代別の代表に選ばれたこと、A代表と同じユニフォームで日の丸をつけたという事が強烈な印象として残っていて、その経験が大きな出来事、きっかけとしてプロになることを意識し始めました。

川島:
海外でもご活躍されていましたが、初めて海外に行くときはどんな気持ちでしたか?

細貝さん:
当時は「行きたい!」というワクワクした思い出もありましたが、ドイツのクラブに挑戦するということで、これまでとのレベルの違いや、初めて海外で生活するということも含めて、今振り返ると不安も大きかったなと感じています。

でも、行ってみたらなるようにしかならないので、その時必要だった言語の勉強をしたりして、実際に起こった問題や課題は助けてもらいながら自分で一つずつ解決していくようにしていました。

川島:
地元群馬を離れた後で、行きたくなった前橋の飲食店(思い出の味)はどこですか?

細貝さん:
登利平さんですね。何となく食べたくなるそんな味で、地元に帰るたびによく買っていましたし、今もよく食べています。

川島:
いつかは、地元に帰ってプレーをしたいと考えていたそうですが、明確に2021年にザスパに加入しようと考えたきっかけはなんですか。

細貝さん:
以前から、「自分は群馬のサッカーに育ててもらった」というマインドはずっと持っていて、プロになってから他のチームや海外にもいましたけど、ザスパのことはずっと気にしていましたし、いずれ群馬県に恩返しをしたい気持ちはずっとありました。

2021年5月にタイのシーズンを終えて、海外のクラブや、ザスパを含めたいくつかのクラブからオファーがある中で、自分の年齢を考えても、このタイミングを逃すといい状態でザスパでプレー出来る可能性が少ないと判断しました。
本当に直感で「ここしかない」というタイミングで決断できたと思います。

川島:
普段は株式会社ザスパで勤務(事務など)をしているのですか?それとも、毎日サッカー?また、無粋な質問になりますが、お給料は年俸制ですか?

細貝さん:
基本的にはプロのサッカー選手なので、練習と試合が中心の毎日を送っています。全体でのトレーニング以外にも個人での筋トレやマッサージなど体のケア、バランスの取れた食事、睡眠、自分自身や対戦相手の試合映像のチェックを含めてピッチでいいプレーをする為に行っているので、基本的には24時間全てを仕事に注ぐ意識で日々過ごしています。

給料については、プロのサッカー選手は基本的には年俸制ですね。年俸を12分割+成績に応じた出来高制(勝利給・成果給)を報酬として受け取っています。

川島:
辛かったり、挫折したことはありますか?そんな時、どのように乗り越えましたか?

細貝:
これまで辛いときはたくさんありました。勝負の世界なので、試合で結果が出なければもちろん悔しいし辛いですが、試合に出られない時期や、チームから信頼されていないということを感じたときはそれを強く感じます。
そういった時は一番近くにいる家族や、メンタルトレーナーに相談するなどして、いろんな人に助けてもらっています。

自分の軸がずれないように修正したり、良い方向に導いてもらうことで、自分が置かれている状況で今やるべきことを整理するようにしています。
考え過ぎて良くなくなることもあるのですが、趣味とか息抜きでリフレッシュして忘れるというタイプではないと思っているので、課題や問題に対して解決方法を考える、自分の立場は変わらないけど、やるべきことを変えることは出来ると思っているので、そこに集中するイメージですね。

川島:
サッカー選手として、大切にしていることはありますか?

細貝さん:
サッカー選手なので、ピッチ上の力強さはもちろん必要ですが、僕個人としてはパフォーマンスだけでなく、それ以外の人間性やパーソナリティの部分はとても重要だと考えています。ピッチに出るかどうかはあくまで結果論でしかないので、そこに関係なくピッチ外での言動を意識するようにしています。

良いプレーをピッチ上で出せるようなコンディションをキープし続けるために、長年やっていることはもちろん続けていますが、その時々でトレーナーやフィジカルコーチに相談しながら日々時間を使っていて、たとえ疲れていなくてもマッサージといったケアや、トレーニング前のW-upやクールダウンを入念にするといったことは試合までのスケジュールを逆算して、毎日24時間トータルの中でできるように考えながら取り組んでいます。

川島:
サッカー選手で幸せだなぁと感じる瞬間を教えてください。

細貝さん:
たくさんの方がスタジアムに足を運んでくれたり、画面を通じてみていただいたり、「サッカー選手になりたい」という子どもたちに憧れてもらえたり、大人のからでも「サッカー選手になりたかった」といった方々をはじめとして、たくさんの方々から応援してもらえる夢のある職業だと思っています。
自分自身も子どもの頃は憧れていた「プロサッカー選手」という存在になることができたことで、今の自分のプレーを見ていただいて、チームが勝って、自分以外の方々が喜んでいる姿を見られるというのはとても幸せな瞬間です。

川島:
最後に私たち20歳にメッセージをお願いします。

細貝さん:
今回、成人を迎えるにあたって、これから先、今まで経験したことより多く、そして大きい壁が次から次へと立ちはだかると思います。でもそれは必ず乗り越えられると僕自身は信じていますし、信じることが大切だと思います。一気に超えていくのが無理だとしても、一つずつ一歩ずつ進みながら、自分がどういう状況に置かれているか、そこで自分は何をすべきか、ということを把握し考えながら、日々過ごすことで、明るい未来に変わってくると思いますし、そういった日々と過ごしてほしいなと思います。

川島:
本日はお忙しい中、時間を作っていただきありがとうございました。

 

あとがき

サッカー選手として充実した日々を送っている細貝さん。インタビューの中でこんなことを話していました。

「20歳から人生をやり直せるとしても、僕はサッカー選手になりたいと思います」

この言葉に、細貝さんの人生のすべてが詰まっているのだと感じました。
良いことも悪いことも、全て自分で受け止める生き方は、とてもかっこよかったです。

20歳を迎えた私の人生には、たくさんの可能性が見え隠れしています。
サッカー選手という生き方に触れ、価値観が大きく変わりました。私も今できることから挑戦し、立ちはだかる壁を一つずつ乗り越えてみようと思いました。

 

インタビュアー

第1回前橋市はたちのつどい企画運営委員会
委員長 川島 穂野香

第1回前橋市はたちのつどい

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更新日:2023年01月06日