定例記者会見概要版(令和元年7月12日開催)
令和元年7月12日に開催された定例記者会見の要旨です。
日時
令和元年7月12日(金曜日)午後2時~2時40分
会場
市役所 4階庁議室
1 案件説明
(1)「陸軍前橋飛行場」大ヒットから1周年特別企画 映画監督飯塚俊男の世界&前橋と戦争特集
市長
飯塚俊男監督の作品を、7つまとめて皆様にお届けしようという企画です。もしシネマハウスがなかったら、このような素敵な企画はありませんでした。改めてシネマハウスの存在に感謝しています。今後とも、こういった企画を続けていってほしいと思います。
飯塚俊男監督
昨年、『陸軍前橋飛行場』が2か月を超えるロングランでたくさんの方にご覧いただいてから一年が経ちました。それを記念するという意味も込めまして、私が映画撮影を始めておよそ30年になり、30本近くを撮影してきましたが、その中の7本を7月27日(土曜)から2週間、特集上映をします。
1992年に作った『小さな羽音』というものは独立して初めて作ったものですが、文化庁優秀映画作品賞とキネマ旬報文化映画部門の第1位をいただきました。これを一つの代表として、7つの映画を選びました。『陸軍前橋飛行場』も上映します。
群馬共同映画社 代表取締役社長
8月5日が前橋空襲のあった日ということで、弊社で作成した『時計は生きていた』という映画を上映します。8月4日(日曜)と5日(月曜)です。これは前橋市出身の児童文学者である小暮正夫さんの原作をそのまま映画化したものです。前橋を中心に、群馬県内でロケを行いました。45年前の作品で、デジタル化されておりませんので、フィルム上映を行います。
(2)大型展示商談会「彩の国ビジネスアリーナ2020」へ本市と共同出展する企業を募集します
市長
さいたまスーパーアリーナで開催されるビジネスのエキスポに、我々も前橋市として出展することになりました。前橋市内のチャレンジしたい製造業者、IT業者、あるいは新規分野で頑張っている企業等を募集したいと考えています。
(3)大胡祇園まつりを開催します
市長
7月27日(土曜)、28日(日曜)の二日間において開催されます。伝統的な、そしてパワフルなお祭りだと思っています。そして大胡祇園まつりの最後に行われる「暴れ獅子」は、何人もの若い人たちが獅子を担いで歩くものですが、日本でも奇祭だろうと思っています。
(4)「“常在戦場の武将”牧野康成公薨去410年 第4回 大胡城・牧野氏まつり」を開催します
市長
大胡祇園まつりの初日と同日に、大胡地区の発展に寄与した牧野公のお祭りも開催します。今回で4回目です。
(5)前橋文学館企画展「羽の生えた想像力-阿部智里展」を開催します
前橋文学館長
阿部智里さんは前橋市の出身で、15歳の時に前橋文学館が主催の「詩のまち前橋若い芽のポエム」の美棹賞(金賞)を受賞しています。現在は27歳ですが、20歳の時に最年少で松本清張賞を受賞しました。彼女の「八咫烏シリーズ」は130万部を売り上げています。前橋女子高校在席中に、講演に訪れた文藝春秋の編集者に「どうやったら作家になれますか」と質問して、本当にその質問の通りの生活をして作家になってしまった人です。
現代の作家ですので、手書きの原稿用紙はありません。どうやって文学館としてビジュアル展開をするかという点に苦慮しまして、従来のような生原稿の展示はありません。すべて、今までの日本の文学館がやったことのないような内容を目指します。
1階ではVRを展示します。入館者が自分の姿を画面に映して手を広げると、八咫烏のように羽が生えて、自分が鳥になったような感覚が味わえます。もう一つは、スタンプラリーを行います。オリジナルのうちわがもらえます。スタンプの設置個所は、すべて彼女が高校生のときに行った「熊野神社」「前橋大気堂」「煥乎堂」「前橋市立図書館」「野口商店」などです。
文学が読まれない時代に、人の想像力を刺激するような作品が売れることをすごくありがたいと思いますし、彼女のような若い人が、完全に作家として生きるんだと宣言してやってきたこと、そしてそれを前橋というまちが育んだということを全国の人に知らしめたいので、満を持してこの企画を開催します。ぜひ、皆さんに観ていただければと思います。
(6)アーツ前橋展覧会「山本高之とアーツ前橋のビヨンド20XX(ニ・マル・ダブルエックス)展 未来を考えるための教室」
アーツ前橋館長
当館は開館してからあまり日が経っていませんが、その間にも、美術を通した学びというものが大きく変わりつつあります。学校では学習要領が改訂になり、その中では主体的な学びやアクティブラーニングといったものの中で、美術が非常に注目されています。東京大学ではアーティストが授業を行ったりとか、美術館ではビジネスマン向けの美術講座を開講すると人が殺到するとか、そういったことが起きています。我々は美術を通した学びというと、講座やワークショップを行ってきましたが、これからはもっと変わっていくんじゃないかと感じています。
今回の展覧会は、そういった時流の中で、アーツ前橋がどういった美術を通した学びを作っていけばいいのかというのを、山本高之さんというアーティストをゲストとして呼んで、そして来場者の皆さんとも一緒に考えます。教室というタイトルですが、講座をやるというものではなく、これからの未来を考える教室だと思っていただければと思います。
山本高之さんは元々、学校の教員をした後にアーティスト活動を始めて、国内の美術館の教育普及部門で仕事をした後に、また教員に戻られているような方です。アーツ前橋がこれまでこういうことをやってきて、これからの未来は何をやっていけばいいか、という話をするのにふさわしい方でもあります。
山本高之さんの新作も展示をします。子どもの教育とは何だろう、とか、我々は子どものことを考えているように見えて、それには大人のやっていることがかなり反映されている、ということが彼の作品のテーマです。昨今のいじめの問題ですとか、色んなことを考えると、大人が何をやっているのかということがすごく関係しているというのを、彼の作品を通して見ていただけるのではないでしょうか。
もう一つの展覧会は「Art Meets 06」です。新人、ベテランは支援の手が伸びやすいのですが、一番大事な中堅にはなかなか支援がいかないというのが現状です。そんな中堅作家を支援するために、展覧会を開催しています。
一人目は、福島県相馬市出身の門間美喜さんという方で、幼い頃から水墨画を学んできた方です。相馬市は野馬追という伝統行事が盛んなところで、彼女は幼い頃から馬をずっと見続けています。中国へ留学して学んだ、非常に卓越した水墨画の技術で馬を描き続けています。また、相馬市は先の大震災で大きな被害を受けた場所ですが、彼女は東京にもアトリエがあり、福島と東京を行き来しています。その間で、復興していく自分のまちと東京の風景を、アクリル絵の具などで描いた色彩豊かな絵も展示します。
二人目は、やんツーです。彼はストリートカルチャーとメディアアートを横断するような活動をしている人で、若い世代に大変人気があります。グラフィティのような線を機械が描くという作品で評判を呼びました。最近人気があるのは、人間以外の「モノ」が作品を鑑賞するというものです。動物だけではない、人工物とも共存していかなければならない未来を先取りするような作品を発表している人です。
2 質疑応答
「陸軍前橋飛行場」大ヒットから1周年特別企画 映画監督飯塚俊男の世界&前橋と戦争特集
記者
監督が映画を作る上で心がけていることや、全体として伝えたいことを教えてください。
飯塚俊男監督
私は小川紳介監督に影響を受けてドキュメンタリー映画の撮影を始めました。そこで学んだことは、自らがその対象の世界で生活しながら、自らの経験も描くという素朴なリアリズムというものです。そういったものを見直すという意味で今回の映画を選びました。
前橋文学館企画展「羽の生えた想像力-阿部智里展」を開催します
記者
改めて、阿部智里さんの魅力を教えてください。
前橋文学館長
「八咫烏シリーズ」は飛躍が大きいです。人間の形をしながら本当は鳥であったり、平安時代のような雅な世界から突然現代に移ったりと、飛躍が面白いです。読んでいるうちに想像力が刺激されて、「自分だったらこう考える」という予想を超えていきます。それはすごいところです。本人に言わせると、近くにある熊野神社などに影響を受けたのではなく、完全に彼女の創造だそうです。
アーツ前橋展覧会「山本高之とアーツ前橋のビヨンド20XX(ニ・マル・ダブルエックス)展 未来を考えるための教室」
記者
おすすめのワークショップや、注目ポイントがあれば教えてください。
アーツ前橋館長
8月25日(日曜)に、文部科学省の方に、学習要領のことも含めて群馬大学の先生と話をしていただきます。今、国がやろうとしている方向、それから現場、そして美術館のどこに重なるポイントがあるのかを知りたいと思っています。他に、山本さんが考えているワークショップというのは、実質的に考え、楽しんでやれるものを実践する場所ですので、子どもたちには他のワークショップがおすすめです。
案件以外
中心市街地再開発計画において共同企業体が優先交渉権者に決定したことについて
記者
6月末に、中心市街地の再開発計画において、共同企業体が優先交渉権者に決定しましたが、そのことについて市長の感想を聞かせてください。
市長
再開発は基本的に、地域の地権者や建物の所有者等が合議をし、新しい事業を行うために、皆さんで行う事業です。まずは、土地を持っている方々、参加する方々が満足できるものであること、そして、公益的に、素晴らしい価値のあるものにしていきたいということです。期待を大きく持っています。
南スーダンのホストタウンを決めたことについて
記者
前橋市は南スーダン国のホストタウンに名乗りを上げていますが、改めて理由を聞かせてください。
市長
きっかけはJICAからです。新しく独立した南スーダン国に対して、JICAが国民統合のアプローチを行っている中で、スポーツが国民統合の象徴になりえるので、ホストタウンを探しているという話を頂戴しまして、その中で本市が手を挙げたということです。
記者
国の体制が整っていない南スーダンを助けたいという気持ちがあったのでしょうか。
市長
そうです。スポーツは民族をまとめます。本市がその手伝いをできるのであれば、大いに我々も汗をかきたいと思っています。しかし、その思いだけでは市民の税金を使うことはできません。南スーダンの選手団は、9月には入国してトレーニングを始めたいとのことですが、靴もトレーニングウェアもない、コーチ陣も整っていない中で、我々の財政的な応援はかなり高額になります。ふるさと納税を通して、この趣旨に賛同するすべての日本人に呼びかけることによって、その費用をまかないたいと考えています。
群馬県知事選挙について
記者
新しい群馬県知事に対して、前橋市長としてどのようなことを期待するか、県政においてどのような課題の解決をしてほしいと思いますか。
市長
現時点で、大きな課題を抱えていたというような閉塞感は感じていません。チェンジモードというのは必ず必要になります。大澤現知事の引退に伴って、新知事が就任されるわけですが、一定のリーダーの変化というものは歓迎すべきものだと思っています。県と県庁所在地の間柄というのは、他の自治体との関係とは少し異なるのではないかと考えています。前橋が県庁所在地であるからこそ、新しい知事の誕生が我々にとって大きな影響を与えるものだろうと考えています。新たな県政の視点で、これからも前橋を導いていただけたらと思います。
(以上で終了)
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更新日:2019年10月02日