第18回前橋市景観審議会議事録
審議会名
前橋市景観審議会
会議名
第18回前橋市景観審議会
日時
令和4年6月1日(水曜日)午前10時から午前11時00分
場所
前橋市役所11階 南会議室
出席者
【審議委員】
小林享会長、齊藤職務代理者、小林陽子委員、田畑委員、下田委員、
野口委員、川住委員、橋本委員、井上委員、前田委員、渡辺委員、
細野委員、群馬県県土整備部都市計画課まちづくり室企画推進係高瀬主任(金井委員代
理)、高崎河川国道事務所宮崎地域防災調整官(福井委員代理)
【事務局】
飯塚部長、宇田課長、高瀬課長補佐、原澤副主幹、蛭田主任、山口主任
欠席者
塚本委員
議題
1 開会
2 あいさつ
3 議事録署名人の選出
4 議題
【協議事項】
(1)前橋市歴史的風致維持向上計画について
5 そ の 他
6 閉 会
会議の内容
1 開会
(宇田都市計画課長)
・定足数の報告
15人中14名の出席であり、審議会規則第3条第2項の規定による過半数の出席を得ているため、審議会が成立していることを報告した。
2 あいさつ
(小林享会長)
(飯塚都市計画部長)
3 議事録署名人の選出
議事運営要領第6条第2項の規定により、野口委員と川住委員が指名された。
4 議題
〇協議事項 前橋市歴史的風致維持向上計画について
・資料1に基づき事務局より説明
・以下、協議事項についての質疑
(齊藤委員)
この計画書を作るにあたり、関係する部署や組織と連携をはかりながらやっていくと思うが、過去の経過の関連として、都市計画マスタープランや緑のマスタープランとの整合や、前橋のいくつかの審議会で同一のビジョンをもって進めるべきで、その中で重要なのが景観・風致ということから、緑の関係する審議会が出てくるが、そちらとはいかが連携を図ったのか、都市マス、緑マスとの連携と合わせて教えてほしい。
(事務局)
今回の計画書の策定にあたっては国土交通省の都市局のアドバイスに基づいて、他都市の事例も参考にしており、どの市町村も都計審、景観審、文化財保護審議会の3ヶ所に報告している。前橋市は文化財保護審議会がないため、文化財調査委員会議に報告することとしている。緑マスに関しては水と緑のまちをつくる審議会に確認をする。
(橋本委員)
10年間の具体的なスケジュール、ロードマップは作っているのか。
(事務局)
概要版の10ページに具体的な事業を一部載せており、全体では20個ほどの事業を立案している。すでにスケジュールがかっちり決まってるものもあれば、これから市民に伺うものもある。何となくの目安は定めているが、すぐにスタートするのは養蚕住宅の改修補助事業が令和4年度から始まる予定で、その他は順次進めていこうと考えている。10年間のスケジュールは、今日は資料として添付していないが、内部的には持ってはいる。
(橋本委員)
総社駅周辺整備事業は、駅舎の改修と、一体的に進めて欲しい。なぜなら工科大で総社駅周辺の設計を課題で出している。学生がプレゼンテーションする機会を設けてもらえたらいいと思う。地元の大学も連携してすすめてほしい。
(小林会長)
樫ぐねや古墳などの資源は、隣接市町村との関連を文言でどこかに入れると流れとしていいと思う。計画書には古代、近世、若干近代が含まれているが、人間の行動やその時の人為によって古墳や建物が空間利用できている。空間、場所、我々との関係が非常に変わってきている。今まで以上に衛生意識が高まっており、オープンスペースの使い方ががらりと変わり、リモート空間となったり、新しい空間との関係が大事になる。公金を投入し整備をすすめるため、財産、資源として市民が良いなと思う場所や、空間の提案の受け入れ方が大事になってくる。例えば、見て、利用して楽しめる場所、場所の平準化、例えば、春夏秋冬楽しめる場所、朝行っても夜行っても、雨が降っても雪が降っても、そういう資源を前橋市が持っているということを計画書に入れるともっと厚みのある計画書になる。SNSを使いながら新しい技術を積極的に取り入れるとおもしろい。こういう整備をしたら、こういうメリットやおもしろみが出てくるということを載せると、公金を投入し整備を進める説明材料となるのではないか。前橋は古墳やため池が多いので、とても魅力的だ。こういうのを入れると楽しいかなと思う。
(野口委員)
重点区域と具体的取組に赤城山頂から東部南麓集落が入っていないが、のちのちやっていくということでよいのか。また、歴史的風致形成建造物と景観資産登録制度の関係を教えてほしい。
(事務局)
事業にはお金がかかるため、まずは街なかからとなったが、歴史まちづくりの協議会委員から前橋の歴史と言えば総社なのだから、そこを外すのはと言われ、街なかと総社から始めることとなった。計画は10年間で何度も改定が認められており、2期計画、3期計画までいけることから、今回はその2つから始め、いずれは赤城も入れたいと思っている。重点区域に入れる時に、国指定の文化財があるエリアでないとダメというルールがあるが、赤城には阿久沢家住宅があるため、そこを中心にエリアどりをし、いずれは整備をしていく。
景観資産登録制度は、前橋の独自制度であり、法律に基づかないとても緩やかな制度で、前橋の誇るべき景観資産を増やしていこうというものだ。歴史的風致形成建造物は、歴史まちづくり法に基づくもので、中には指定できない建造物もあるが、景観資産は市の独自制度なので、登録されたものがいくつも入っている。
(野口委員)
赤城の景色は前橋らしいところであり、街なか、総社と違った魅力があるので、長いスパンでは赤城を入れてもらえたらと思う。小林先生の言っていた古墳がたくさんあるのは私も魅力だと思う。総社の古墳群、山王廃寺、少し範囲が広がるが国分寺は魅力だと思う。
(小林会長)
総社は教育的空間としても観光としても使える。厩橋地区は昔は週末、家族でワクワクしながら買い物に行く場所だったが、それが今は郊外のショッピングモールになってしまった。空間と我々の関係は時代で変わり、オープンスペースの使い方もコロナのせいでがらりと変わった。厩橋地区も昔のような場所と関係ではない。無理をして人を集めてもいつかは破綻するので、もう少し優しく長い目で温泉の効能のように進めていくのが良い。
(井上委員)
地震の場合、歴史的建造物が大きな被害を受ける。事例としては熊本城や、仙台の石垣などがある。災害に関することや、歴史的建造物が劣化していかないかなど、維持管理を常々意識しておく必要がある。また、概要版を誰に見せるのかを意識する必要がある。表紙にSDGSが入っており、11番と17番が入っているが、17番が入っている意図がわからない。前橋の取り組みとSDGSとの関係が見えてこない。
(事務局)
歴史まちづくりの中で、未指定建造物の調査を最も重視しており、街なかに文化財が少ないのは、建造物が調査されていないからだという指摘があり、歴史の先生にも、まずは調査をし、耐震が足りなければ必要な耐震の措置をとらないと、全て壊れてしまうと言われている。歴まちの中で、最重要課題は未指定建造物をどうしていくかがターゲットとなっている。小林先生が言ったように急激な変化でなく、長い目で街なかを見ていく。アーバンデザインを民間の方々が頑張っているので、その活動をそっと後ろから応援できるようなまちづくりに展開していきたい。SDGSに関しては、政策部に計画書を作る時には入れるよう指示があったため入れた。これから勉強したいと思う。
(下田委員)
前橋の古墳は総社が有名だが、赤城にもたくさん古墳がある。古墳には巨石が必要なので、利根川がある総社地区は古墳が多い。赤城には大きな河川はないが、赤城山の裾野は日本で2番目に長く、噴火する前は富士山型だったという。噴火した時に出た流れ山に石がたくさんあって、その石を利用した。代表的なのは、大室公園。その周辺には石がたくさんある産泰神社がある。空間利用が最終的にまちづくりに繋がってくる。空間をいかに市民が利用したいか考えると前橋らしい街づくりに繋がる。市としてバックアップしていくことがまちづくりとして大事だと思う。
(小林会長)
お金など現実的な話もあるが、維持管理がすごく大事だ。管理をする上で、誰に、どういう形で維持管理を想定されているのか、このへんは計画書に入っているか。
(事務局)
維持管理は基本的に所有者様にとなるが、宗教法人と一般の方だと違いが出てくるので、宗教法人はもしもの時は檀家さんや氏子さんを頼れるかもしれないが、個人はそうはいかないので、養蚕住宅など失われてしまうかもしれないものから先に維持管理のお手伝いをし、ゆくゆくは文化財指定を目指していただく。
(小林会長)
失われてしまうものに手を差し伸べるのはとても大事だ。樫ぐねはお金がかかるので痛みを伴う。クラウドファンディングなどの手立てを一緒に考えないと終わってしまう。仕組みや利用方法、何ができるかも計画書に盛り込む必要がある。歴史的建造物の悉皆調査をしたと思うが、そのデータは残っていないのか。
(事務局)
文化財保護課にあるが、古いのでまた新たに計画すると聞いている。
(小林会長)
今の時代を逃すと前橋で消えてしまう風景が結構ある。大室公園は古墳が多くとても良いが、そこの風景もどうなるか。景観を壊す阻害要素をどうするか。
(井上委員)
クラウドファンディングには賛成だ。災害を受けてクラウドファンディングした例がある。ふるさと納税を上手く使うのはどうか。ふるさと納税してくれた他地域の人に、前橋に訪れた時に何かするなど有効だろう。
5 その他
(事務局)
次回の審議会は案件及び開催時期ともに未定のため、決定次第調整する。
6 閉会
(宇田都市計画課長)
配布資料
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更新日:2022年07月01日