令和4年度 第2回 前橋市環境審議会

審議会名

環境審議会

会議名

令和4年度 第2回 前橋市環境審議会

日時

令和4年11月10日
午後2時00分~午後4時00分

場所

六供清掃工場3階大会議室

出席者

委員
西薗会長、田島副会長、大山委員、梅山委員、新井委員、高橋委員、竹内委員、六本木委員、樺澤委員、歓崎委員、水澤委員

幹事
倉林環境部長、持田環境森林課長

事務局
伊藤課長補佐兼環境政策係長、橋本課長補佐兼環境保全係長、須田課長補佐兼赤城森林事務所長、樋口主任、糸井主事

欠席者

佐藤委員、柴崎委員、田中委員、塩ノ谷委員

議題

  1. 前橋市地球温暖化防止実行計画2021-2030の見直し(素案)について
  2. その他

配布資料

会議の内容

1 開会

会長あいさつ(西薗会長)

皆さんこんにちは。今年は紅葉も綺麗なようで秋も深まってきた。今日はだいぶ暖かいが、暑い日と寒い日との振れが大きい気候であると多くの方が感じていると思う。日本の場合はどちらかというと雨が降り過ぎの被害の方が多いが、世界的に見れば干ばつの被害も出ている。前回、前橋市地球温暖化防止実行計画の見直し方針に対して皆さんにご承認いただいたが、これについてはご存知のとおり、国の方で昨年、一昨年辺り大きな動きがあって、いわゆる2050年カーボンニュートラルという一つの合言葉、世界的な情勢を見れば特に今回のウクライナの状況や現在行われているアメリカの中間選挙など影響する要素が入るかもしれないが、全体としては2050年に向けてこういう対策をきちんと取っておこうという世界的な流れができている。そこに現在の様々な条件にとらわれることなく、特に前橋市の一つの形というのを我々としては見定める必要がある。事前に資料をご覧いただき、厳しい内容も含まれていると感じられていると思うが、本日ご意見をいただきながらより良い計画を作っていきたいと思っているので、是非活発な議論をお願いしたい。

審議会成立要件等の確認

幹事(持田環境森林課長)

審議会成立要件のについて確認
審議会委員15人中11人出席
前橋市環境審議会運営規則第4条第2項の規定により、過半数を満たしているので、成立。

幹事(持田環境森林課長)

前橋市環境審議会運営規則第4条第1項の規定により、審議会の会議は、会長が議長となることとなっているため、西薗会長にお願いする。

議長(西薗会長)
・審議会の公開及び会議録のホームページにおける公開について確認
<異議なし>

・傍聴人の確認
<傍聴人:1人>

・議事録署名人の指定について確認(歓崎委員を指名)
<異議なし>

2 議事

議事(1)前橋市地球温暖化防止実行計画2021-2030の見直し(素案)について

<資料1-1、1-2について環境森林課 樋口主任、糸井主事 説明>

<参考資料について伊藤補佐 説明>

 

議長(西薗会長)

国の2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロ、その前の段階として2030年に46%削減に合わせていかなければならないということなので、数字の積み上げ自体については皆さん意見を出しにくいと思う。資料1-1でも1-2でも最初のページに目標値が示されており、一例を挙げれば、その一番上に書いてある民生家庭部門、我々の生活そのものから排出される温室効果ガスに当たるが、この削減率が66%という、要は今までのエネルギーの3分の1で暮らせるようにしようと、しかもこの目標が2030年なので何年もないわけである。計画は国の数字に合わせているのでこの数字の是非について議論しても仕方がない。むしろ事務局から説明があったように、ほかの部門もそうだが、これを実現するためにはこんなアイデアを市として市民に提示して欲しいとか制度を作って欲しいとかそういうところだと思う。それはこの審議会で議論しなければならないことなので、全体をもう一回見渡していただいて、この部分は是非こういうことを入れて欲しい、あるいはよくわからないところがあれば質問でも結構。今日はこれだけをやりたいと思っているので、お気づきになったことはどんどんご発言いただきたい。

 

新井委員

区域施策編の見直し後の目標値は44.5%とあるが、国の目標値より数字が小さい。一方、現計画では国よりも削減率が大きい。これは第4章2(2)削減目標の設定に書いてある理由によるものなのか。

 

事務局(樋口主任)

国と市とで対象にしている部門、それからその部門別の排出構成が異なるため、どうしても前後してしまうというところが前提としてある。その中で、前回なぜ国よりも目標値が高かったかというところだが、資料1-2の1枚目の右側の表をご覧いただきたい。真ん中に国の削減率を当てはめた場合というものがあって、この産業部門は国の削減率が6.5%となっており、これをベースに積み上げると、全体としては国の26%に対して市の目標は25.5%となる。しかし、この表の左の列に将来推計という、これは緩和策による削減効果を考慮せず、例えば人口の増減や産業部門であれば製造品出荷額の増減などの将来予測だけを見た時にどれくらい温室効果ガス排出量が変動するかというものを出したものになる。この将来推計によると、産業部門は削減率が32.9%ということで、国の削減率よりも非常に高い削減結果が見込まれるとの結果が出てきた。何も対策をせずとも32.9%の削減が見込まれるのに、国の削減率を当てはめた6.5%を目標として設定するのはいかがなものかというところが策定当時の議論としてあり、最終的な目標として32.9%を採用した結果、全体の削減目標量も国より若干引き上がったといった経緯がある。

 

議長(西薗会長)

前橋市の産業部門の数値の動きが国の動きと比べると特異的だったということ。当時の議論の確認で、今までどおりの進行で、国の目標を大きく上回る数値が見込まれるため将来推計を採用したというもの。見直し案では産業部門も左側の表にあるとおり38%という国と同じ目標を掲げている。いずれにしても削減率が大きいものを採用しながら国の目標と合わせているということ。全体としては構成比率が国と異なるので、国の46%に対して同じ基準を各部門で当てはめて計算すると前橋市の場合には44.5%ということ。あまり大きな変化ではないのでご理解いただければと思う。ただ、国より目標が緩いから対策が緩いかというとそうでもなく、先ほど家庭部門だけ申し上げたが、次の業務部門では51%、半分以下にしなければならないので、基本施策の方もそれぞれご覧いただきアイデアを出していただきたい。事務局も新井委員もよろしいか。

それでは確認になるが、区域施策編では、民生家庭部門の66%から始まり、全体で46.5%。それから事務事業編が資料1-1の9ページ目にある31.8%というこの数字に関して、また途中で何かあればご質問いただければと思うが、一応ご了解いただいたということでよろしいか。

 

<異議なし>

 

議長(西薗会長)

ではその上で、本当にこれを了解してしまうということは、これを実現しなければならない。本当に家庭部門を3分の1にできるか、私は一番この辺りが不安なのだが、普段皆さんいろいろ活動されてお気づきのこと、こんなところにもっと力を入れていかないと駄目だということでも良いので、意見を出していただきたい。前回は歓崎委員から省エネという観点も非常に重要であると再生可能エネルギーの導入だけで解決する問題ではないというところが一つ示された。そういった観点でもあるいはその他の観点でも普及啓発は今のままで良いのかどうかということもある。この審議会でこの数字を認めたからといって、では市民がこの数字を理解して動けるのかと言うとそうでもない。どんな意見でも良い。

 

竹内委員

基本施策3環境にやさしい交通システムの構築の進行管理指標に関して、「一人あたりの利用回数」が「年間の利用人数」に変わった理由は何か。

 

事務局(樋口主任)

この指標は交通政策課が策定した計画の目標を設定している経緯もあるため、交通政策課に確認をさせていただき、後ほど回答させていただきたい。

 

竹内委員

変更する前の一人あたり何回という方がイメージしやすいと感じた。この年間何人とは駅の乗降者数などを指す単位だと思うが、パッとイメージしづらい。変更前の年間何回とかもう少し進化した表現もあるかもしれないが、その方が個人の行動を促すのに良いと感じた。

 

議長(西薗会長)

事務局の方で交通政策課に目標の捉え方を変えた事情を調査いただくことをお願いしたい。また、回数の方がむしろイメージしやすいという竹内委員の意見もあわせて伝えていただければと思う。

 

梅山委員

削減目標の46%の中で森林吸収源はどのような扱いになるか教えていただきたい。

 

事務局(樋口主任)

森林吸収源は、国の計画では目標に含めているが、本市の計画では内訳として含めない方向で設定している。

 

梅山委員

前橋には山が多いので、森林吸収分が入ると少しは目標達成が楽になるのではという部分があったので入れた方が良いのではと思ったが、方針としては入れないで頑張るということで承知した。

 

議長(西薗会長)

逆に言うと、国の目標46%よりも数値としては44.5%なのでやや低いが、森林吸収源が含まれないことを考えると、国は吸収源として結構な数字を見込んでいるので、むしろ国よりも厳しい計画という見方もできる。その辺りは注書き等で前橋市の計画では森林吸収源を含まない値であることを明記すると良いと聞いていて感じた。

 

 

梅山委員

もう一つ、第5章の事務事業編これは市有施設に関する計画になると思うが、内容としては良いものを計画していると感じた。これを例えば自分が勤めている会社ではまだエコという言葉が社内に浸透していない部分があって、ごみの分別やエネルギーの使い方など、会社として取り組むにはどうしたら良いかといったノウハウがない。そういう小さな会社がたくさんあると思うので、是非この第5章の計画を市だけでなく、民間の事業所に奨めていただけたらと思う。群馬県では環境GS認定制度という、エコの活動に取り組む会社が認定証をもらえる制度があるので、活用しても良いのでは。市独自でエコ企業認定というのも認定作業が大変だと思うが考えてみていただきたい。

 

議長(西薗会長)

市有施設を対象とする事務事業を、民生業務部門にも反映したらどうかという意見。数字としては1ページの表の民生業務部門で、運輸、廃棄物に関わるものもあると思うが、製造業であれば産業部門ということになる。製造に関わる省エネは、各社ノウハウを持っていて導入しているところが多いが、今の話では、会社の中での生活、民生業務部門の対策が充分ではないのではないかと、そこをどのように普及啓発していくかという話になる。この辺り事務局の方で何かあるか。

 

事務局(伊藤補佐)

ちなみに梅山委員の勤務先はどのような業種か。

 

梅山委員

介護の業界で、お年寄りが30人暮らしている施設で、スタッフもそこで30人働いている。

 

事務局(伊藤補佐)

事務事業編の方でいろいろとお示ししているが、恥ずかしながら庁内で当然取り組んだ方が良いものが実際は取り組めていなかったりとまだまだなところもあり、普及に努める必要があると思っている。

事業者に対しても、今までは中々アプローチできていないところがあったが、来月から予定する次世代脱炭素設備導入補助を呼び水として、少しずつ進めていけるのではと思っている。

また、先ほど森林吸収源の議論があったが、前橋市は自然豊かなところが売りでもあるので、参考にさせていただく。

 

水澤委員

先ほど梅山委員から、群馬県環境GS認定制度を活用したらというありがたいお言葉をいただいた。GSは「群馬スタンダード」の頭文字をとったもの。県内事業者が、温室効果ガスを持続的に削減するためのPlan、Do、Check、Actionを行う体制、いわゆる「環境マネジメントシステム」を整備し、これを組織的に運用することを支援するもの。製造業、商業、金融など様々な部門があり、現在2300ほどの事業者に登録いただいている。登録すると、省エネ診断やエコドライブの支援、エコ改修資金の貸付などの支援を受けられる。また、一番のメリットは、県の入札に参加する際に加点評価を得られること。省エネ目標を年度ごとに作っていただくので、省エネの動機になると考えている。ぜひGS認定制度を使っていただければありがたい。

 

 

議長(西薗会長)

梅山委員から意見があり、水澤委員から解説いただいたが、市の計画の中に県のGS認定制度に参加しましょうと書くのは難しいと思う。しかし、民生業務部門の排出量を減らすためには企業、事業所がエコマネジメントシステムに取り組むこと、そういう記述はどこかにあってもいいかもしれない。その一つの例として、GS認定制度の普及啓発も必要かと思う。事業内容でいうと、先ほど梅山委員から介護という言葉が出たが、介護施設でGS認定に参加しているところは少ないのでは。

 

水澤委員

多くはないが皆無ではない。

 

議長(西薗会長)

これは前橋市に限らず、日本全体の問題だが、民生業務部門ではやはり介護施設が増えており、どうしても生活そのものの施設のため、暖房や給湯等のエネルギーは欠かせないこともあり、それに伴う温室効果ガス排出量の増加は避けられない。前回歓崎委員から説明のあった、どう省エネを働きかけていくかが非常に重要だ。まだエコマネジメントシステムを導入していない事業所が多いはずなので、梅山委員から提案があったような啓発を行っていくことが重要と私も感じた。

 

歓崎委員

44.5%削減は、改めて本当に高い目標であり、我々事業者としても引き続き協力、貢献できることがあればやっていかないといけないと、意を新たにしている。先ほどから省エネについて度々言及いただき、確かに省エネも大切だが、省エネでは温室効果ガスの排出をある程度減らすことはできてもゼロに近づけることは難しいという中で、最近では、足元の実現可能な政策として、証書などでオフセットされたカーボンニュートラルなエネルギーが、都市ガス、プロパン、ガソリン、重油などで使われており、非常に環境意識の高い企業から選択されていると聞いている。また、基本施策1再生可能エネルギーの利用促進の中で、電気と熱で分けて考えたときに、確かに太陽光発電などは電気の部分を確実にゼロにできるということから非常に効率性の高い施策だと思う一方で、熱の方はゼロにする施策というのは難しい。そこで、先ほど申し上げた証書などでオフセットするカーボンニュートラルを、前橋市として、導入、促進していくことも一つの案ではないかと感じた。

 

事務局(伊藤補佐)

歓崎委員のおっしゃるとおり、特に熱に関することについて施策を考えていく中では、省エネルギー以外の取組も、積極的に導入できるよう検討していきたい。

 

新井委員

資料1-1の10、11ページの事務事業で、(3)廃棄物の処理2ごみの発生抑制に、「マイバッグやマイボトル等の使用を推進する」とあるが、8ページの区域施策編、基本施策5循環型社会の形成には記載がない。主な取組4ポツ目にバイオマス由来の原料を使用したごみ袋の導入検討とあるが、バイオマス由来といっても土と混ぜない限り自然に返らないので、こちらに記載すべきだと思う。

また、生ごみの分別回収を前橋市は検討しないのか。例えば、県内でも上野村は分別回収をして、肥料に使っている。大きい市でも生ごみを堆肥化処理しているのは、茨城県常総市、埼玉県久喜市、長野県佐久市、生ごみをバイオマス施設で利用しているのは、新潟県長岡市、上越市などがあるが、生ごみを分別回収し活用することも一つの方法だと思う。前橋市はプラスチック容器の資源回収はしているが、別のものについてはしていないので、その辺をどう考えているのか。

さらに、プラスチック製品に係る資源循環の体制整備とあるが、個人ではなく団体がプラスチックの削減に協力できれば、例えば学校給食用牛乳のプラスチックストローの廃止など、東京都では部分的に実施しているようなので、前橋市でも取り組むことで早めにプラスチックの削減が実現できると思う。

 

幹事(倉林環境部長)

マイバック、マイボトルについては当然、全市民が取り組むことが大切だと思うので、書き方を工夫させていただきたい。

生ごみの分別については、ごみ政策課でいろいろと研究させているが、本日議論のあるような環境面に対する取組というのは、行政側だけで直営的に対応できる問題ではない時代に突入している。SDGsという側面からも、民間として公共の側面を担いながら取り組んでいただけるスキームを作っていく必要がある。生ごみの分別に関しても、例えばバイオマス発電施設を行政施設として作るのではなく、民間における営利目的の中で協働しながら作ってもらう。先進的な事例として挙がる都市でも、行政単独でやっているところはほとんどなく、行政と民間で協働の体制作りを研究していきたいと考えている。

 

議長(西薗会長)

8ページの主な取組の記述の問題になろうかと思うが、3ポツ目のプラスチック製品に係る資源循環の体制整備について、単なる体制整備ではなく削減という記述も必要なのでは。

また、4ポツ目にごみ袋の話、5ポツ目に生ごみの話もあるが、ここに書かれている取組だけをやればいいと逆に取られてしまうとおそらく効果が限定的になってしまう。市の方でもいろいろと研究しているということなので、何かもう少し広がりのある記述が必要ということだろうか。その上で、行政だけで進めるのではなく、先ほどの事業所が市の事務事業編を参考にしてエコの取組を普及させてはどうかという梅山委員の提案も同じだと思うが、やはり行政と民間との連携が非常に重要だというところが今のやり取りの中でも示されたと思う。その辺りのところまで記述としてうまく反映されると良い。

 

高橋委員

基本施策3について、私は郊外に住んでいて、今日は自家用車を40分運転して来た。主な取組に前橋市地域公共交通計画に基づく公共交通ネットワークの再構築とあり、また進行管理指標も同計画の目標値ということだが、この計画にはどの程度の地域が含まれ、どのような構想となっているのか。群馬県はマイカーありきの交通網だと思う。事前に群大病院と日赤病院に公共交通機関がどの程度乗り入れているか調べてみたところ、路線バスは1、2時間に1本程度の割合しかなかった。今後、こうした主要施設に対してどのような公共交通網が敷かれていくのか教えていただきたい。

 

事務局(伊藤補佐)

先ほどの竹内委員からの質問同様、交通政策課にて所管している内容となるが、対象地域は市域全体となっている。また、主要施設へのアクセス、ネットワークの再構築の考え方については、交通政策課に確認させていただきたい。

 

幹事(倉林環境部長)

事務局の回答がそれは交通の話だから分からないといった内容で申し訳ない。前橋市地域公共交通計画については概要版があると思うので、後日委員の皆さんに配付させていただく。私は直接携わっているわけではないが、前橋市全体の中での公共交通の最終的なネットワーク網を計画しているのがこの計画という認識。ただ、その中でも前橋市では合併を進めてきていたため、大きく分けると都市部とそれぞれの山間部というエリアでの公共交通の在り方となってくる。公共交通とは何と言えば、バスとタクシーとJR、あと前橋市の場合は上毛電鉄が担っている。ただ、先ほどの話ではないが、これらは行政直営ではなく、あくまで民間事業である。手段がバスであったり電車であったりするものを公共交通という位置付けの中で運用しているので、それぞれの言い分からすると、鶏が先か卵が先かの話になるが、乗る人が多ければ本数は増やせるが、乗る側からすると本数が少ないから利便性が悪いので乗りづらいといった議論をずっと重ねているのが現状。ただ、ゼロカーボンシティを目指すに当たって、このガソリンなり化石燃料の使用に伴い排出される温室効果ガスというのはダイレクトに公共交通の在り方に関係してくる話なので、今後の議論に向けて情報をお渡しさせていただきたい。

 

高橋委員

もう一点、先日市内のお祭りに出かけた際にスローシティのエコバッグをいただいた。多くの人は喜んでいたものの、スローシティが何だかわかっていなかったので、何か一文でも入っていれば良かったと感じた。私の娘は社会科の授業でヨーロッパの環境問題などを学んでいて、子供は脳が柔らかいのでいろいろなものを吸収できているが、難しいのは大人だと思う。家庭部門の削減目標66%について、どうやってここまで削減できるか自分自身よく分からないので、公民館などで大人を対象としたエコに関する教室があると良いと思う。

 

幹事(倉林環境部長)

前橋市が友好都市を結んでいるイタリアのオルビエート市に世界的なスローシティの事務局があることから3、4年前だと思うが、私が文化国際課長の時に前橋市のスローシティ認定を進めた。スローシティは自然豊かな場所でゆったりとした生活を進めていきましょうという取組。ご指摘のとおり、スローシティの精神的なところも今回の計画の中で位置付けした方が良いと思うので、検討させていただきたい。またスローシティの取組に関しては竹内委員に少し補足説明いただきたい。

 

竹内委員

私もイタリアのオルビエート市に行ったことがある。日本だと流通が発達しているので、どこのものでも食べられるが、向こうでは山に行ったが、海のものが全然売っていない。きのこや肉を食べるような生活を送っていて、便利なだけではなく自然や身近なものと向き合いながら暮らしている。

 

議長(西薗会長)

7ページの基本施策4の本文中3行目からスローシティという用語が出てくる。解説らしい記述はあるが、スローシティそのものに関する説明はない。それから今回スマートシティの推進が新たなに加わったが、あわせて用語の解説が必要だと思う。

私も冒頭から話題にしているが、家庭で66%削減させることについて、なかなかイメージが持てないという?橋委員の発言、これが多くの人の本音だと思う。そこのところをいかにイメージできるような提案をこの計画の中に盛り込めるかというのは、もちろん我々だけではなくてそれをどうやって市民に伝えていくかということなので、なかなか大きな課題だと思う。

 

新井委員

12ページの5下水道分野における脱炭素の推進に水質浄化センター更新事業が載っているが、令和元年度に基本構想策定業務報告書が出ている。その中でバイオマス発電や小水力発電が出てくるのだが、これらの設備を導入する計画はあるのか。

 

事務局(伊藤補佐)

こちらについては、下水道施設課で現在検討を進めているところ。工事着手から完了まで25年を要する、市の中でもボリュームの大きい事業であるため、どのような設備が入るかという明確なものは今のところないが、事業を進める中で何らかの設備が導入されるものと考えている。

 

幹事(倉林環境部長)

補足させていただくと、水質浄化センター更新事業は今その基本計画を作っている最中で、来年辺りから具体的な改修工事が始まる。規模が大きく施工期間すると25年かかるため、施設そのものの運営を止めないで各処理施設を改修していく計画となっている。その中でご指摘の再生エネルギーの設備についても、先ほどお話させていただいた、協力いただく民間をいかに取り込めるかが今後の課題になるため、研究していきたいと思っている。具体的な例えば発生させたバイオガスを発電に利用したり、処理水を利用した小水力発電設備を導入したりといった結論は出ていないが、施工期間が長いので今後検討していきましょうということで水道局も進めている。

 

新井委員

是非有効利用を検討いただきたい。それから報告書には農村集落排水も入るとの記載があるが新たに配管するのか。

 

幹事(倉林環境部長)

現在の水質浄化センターは、本市の汚水・し尿・雨水を処理する下水処理施設で、それぞれ所管が異なるためにそれぞれ処理していたものを共同処理しようというのが更新事業の構想となっている。

農業集落排水については、それぞれの土地改良区で処理施設が稼働しているので、例えばバキューム処理などで水質浄化センターに運搬してきて直接処理するのではなく、施設が老朽化などで駄目になった場合は、近くの下水道本管などに接続するといった調整になると思う。

 

議長(西薗会長)

農業集落排水やコミュニティプラントのような、いわゆる小規模な処理施設は結構な数があるのか。

 

幹事(倉林環境部長)

20箇所程度はあると思う。それぞれの農業集落には必ずあり、あとは住宅団地を作ったところにはコミュニティプラントのような施設もあるが、バブル期にそうした開発をやってきたところが施設の老朽化を心配しなければならない時期に入ってきている。まさにそれをいかに近くまで来ている下水道管につなげられるかということと、施設の延命化をどうするかということが課題となっている。

 

議長(西薗会長)

現状その施設が動いていると活性汚泥が発生していることになる。その処理が単なる廃棄物として捨てられるのではなく、エネルギー利用できないかというのが新井委員の質問だと思う。その辺りも含めて前橋市全体として今後どのような絵が描けるのか、市民に示していただきたい。我々は審議会の委員として集まって情報を共有できているわけだが、我々が納得して満足してしまうと市民への広がりにつながらない。本来の目的は、市民が計画に位置付ける取組に参加していただくことで、そのための計画でもある。委員の皆さんはもちろんのこと、事務局に啓発方法を計画いただくことが重要なのでよろしくお願いしたい。

 

事務局(伊藤補佐)

基本施策6はまさに普及啓発活動の充実のために位置付けているので、検討させていただく。

 

竹内委員

電気自動車の導入補助について、前橋市で実施していない理由と今後導入される可能性があるのか伺いたい。

 

事務局(伊藤補佐)

事業者向けになるが、今度実施予定の次世代脱炭素設備導入補助金では、電気自動車を対象としている。また、以前は市民向けに電気自動車の導入補助を実施していた頃もあった。東京都のような大規模な自治体では手厚く実施しているところもあるが、税収が限られる中ではそうはいかないところもある。現在は蓄電池、V2H及び家庭用燃料電池の導入に対して補助しているが、市民のニーズを把握しメニューを見直しながら実施しているので、今後も国の交付金などの財源確保の機会も見出しながら要望に応えていきたい。

 

議長(西薗会長)

独自財源だけで実施するのは難しいという話かと思う。基本施策3の見直しでは低公害車という表現を電動車に限定しているが、これは国の地域脱炭素ロードマップの中でも当然これを進めていくということが2030年、2050年の目標達成のために必要なこととして位置付けられているから。いずれ国からそのための財源が示された制度が提示される可能性もあるといった趣旨の回答であったので、その場合には積極的に取り組んでいただくということになろうかと思う。

 

事務局(伊藤補佐)

現在の取組でも基本政策1に記載している、まえばし大規模太陽光発電事業及び小水力発電事業の売電収益を基金に積み上げて補助事業の財源としても活用している。ある種先ほど西薗会長から発言のあった独自財源となるが、この仕組み作りを今後更に詰めていきたいと思う。

 

竹内委員

もう一つ補助金関係で、私はこれからビールの醸造所を開業しようと思っているが、使用する電気は自然エネルギー由来のものを導入できたらと考えている。小規模なので太陽光発電設備の導入は現実的でなく、小売事業者からそういった電気を購入することになると思うが、普通の電気と比べると値段が安定しないとか高いといった課題がある。自然エネルギーを小規模な事業者が導入するときに家賃補助のような形で少しでも補助があると導入のきっかけになると思う。

 

事務局(伊藤補佐)

先ほど歓崎委員から証書の購入に関する発言をいただいたが、最近はこうした取組をされている事業者が多いのか。

 

歓崎委員

CSR等の活動の中で排出量ゼロにするとかRE100という再生可能エネルギー100%の電力しか購入しないことを宣言して取り組まれている事業者もいる。そうした取組をしないと取引先から選んでもらえない中で自ら多少コストがかかってでも宣言をして取り組むことによって企業価値を上げる事業者が最近多いなという印象。今はあくまで国の制度の中でやっているが、前橋市としても独自の補助や促進するような施策を展開することによって一層進むのではないかと思う。

 

事務局(伊藤補佐)

こうした事業者の実態に関する情報が事務局側に不足しているのが課題となっている。竹内委員の提案も含めてどのような支援ができるのか検討したいが、大企業から個人まで誰でも取り組みやすいような状況になると良いと感じた。

 

竹内委員

新しく始める時に環境に配慮したものから始めるというのは、きっかけとしてやりやすいと思う。太陽光発電設備導入のような補助はスタートアップの企業や店舗では受けづらいと思うので、もっと小規模な補助でも構わないので小さな店舗等でも取り組めるような補助やサービスがあると良い。

 

田島委員

歓崎委員と竹内委員から発言のあった環境エネルギーに関する取組は始まったばかりで、いわゆるカーボンオフセットという感覚。市内の事業所でかなり進み始めようとしている。入札の評価点が上がる、上がらないももちろんあるが、一番大きなところは、やはり会社としてのイメージというか、会社としての宣言という部分だと思う。いろいろな方法はあるが、基本は自分で直接発電するわけではないが、入手するまでの間の経路において末端の使用者が負担することで、例えば原油をLPガスみたいなものにして持ってくる場合だと、これは最初の掘り出しから途中の輸送も含めて末端に持ってくるまでのトータルでゼロカーボンとして流通することになる。よって消費する段階において特別なエネルギー体なのではなく、その途中においてゼロになるような政策を売っていて、そこに対してお金を出してそれを末端の使用者が負担しているというもので、非常に重要な感覚。これは流行りというか最後の手段のようなものだが、これからどんどん増えていくのではないか。その中で私が商工会関係の立場として少し気になっているのは、その数字がどこに出てくるのかということ。前橋市の実行計画の大変厳しい目標の中で、全ての部門においてエネルギーは間違いなく末端で使っているが、その過程においてポストペイしているので、この部分がどこでカウントされるのか。各企業や家庭が一生懸命そういったものを使うことで、地球レベルで言えば確かにプラスマイナスゼロになっているけれども、使うことは使っているので、それが前橋市の排出量としてカウントされてしまうとどうなのかということが懸念される。今まであまり出てこなかった感覚なので、こういった数字の捕まえ方というのが国レベルではまだわかりやすいが、市レベルだとどうなるのか気になるところ。

 

議長(西薗会長)

カーボンオフセットという考え方はあるけれども、それが排出量の数字としてどのように反映されるか、県や市では今情報を持っていないはず。今後地方自治体の実行計画の中でどのように取り扱われるかは前橋市だけの問題ではないだろう。いろいろと研究いただいて情報を出していただければと思う。

 

事務局(伊藤補佐)

計画の中でどういった数字がどのように積み上げているかだが、これはどこの統計のどのデータを用いるかなど、事務レベルでは大変細かくマニアックなものになっている。これは全国的な課題であると思うが、今の積み上げ方がどうなっているかという仕組みを改めて分かりやすく説明できる状況というのは作っていかなければならないと感じている。

それと竹内委員からコストに関するご発言、梅山委員から職場におけるエコの取組に関するご発言をいただいたが、市役所でもほかの課で環境配慮の取組が後回しにされてしまうのはコストがネックになっていることが多い。今回実施予定の次世代脱炭素設備導入補助は、活用する国の交付金に期間や用途など制約が多い中での制度設計だったが、いただいたご意見に今後応えられる展開につなげられるよう努力したい。

 

議長(西薗会長)

歓崎委員に質問だが、多くの企業がカーボンオフセットの証書を利用し始めているというのはサプライチェーンの関係というのが動機として大きいのか。

 

歓崎委員

サプライチェーンの制約でそうしないと取引して貰えないというのもあれば、自主的に広くPRするために取り組んでいる企業もいるので、それぞれかと思う。

 

議長(西薗会長)

先ほどの田島委員の話のとおり、自主的に取り組む事業者が急激に増えてきているということか。今までは特にEUをはじめとする海外との取引の中で要求され、これは鉛はんだ規制などカーボンの問題だけではないが、サプライチェーンの中で行われてきて、対応しているのは大企業が多かった。しかし、今はそういうレベルではないところでも実行していく必要がある状況となると、果たしてそこのすそ野の広がりの部分を行政としてもしっかりと捉える方法があるのかどうか。こうした企業活動というのは行政に報告する必要がないため、なかなか行政では情報を掴めない。審議会にいろいろな立場の方が来ているところでこういう話が出てくると、なるほどそういう社会の動きがあるのだなということをいろいろな立場の方が認識して、それがきちんと評価されるようになってくると、また中小企業でも取り組みやすくなるはずなので、その流れを作っていくことが必要であると話を聞いて非常に感じた。

 

梅山委員

省エネ家電買換え補助金と次世代脱炭素設備導入補助金の予算規模を教えていただきたい。

 

事務局(伊藤補佐)

事務的経費も含まれているため全てが補助に回るわけではないが、省エネ家電買換え補助金が4億7,500万円で次世代脱炭素設備導入補助金が4,500万円となっている。

 

新井委員

第1回審議会でも広報に関する要望が出たが、資料1-2の1ページ目を見ると、民生家庭部門の削減率が非常に大きくなっていて本当に達成できるのかという思い。広報は月1回になってからページが多くどうにかしてもらいたいくらいだが、是非民生家庭部門の削減に資する記事を掲載いただきたい。それから生ごみを堆肥に変える段ボールコンポストはどの程度の需要があるか。

 

幹事(倉林環境部長)

これはごみ政策課が無料で配布しているものだが、広報に出ると毎日のようにやってみたいという方が取りに来ていただいている。こまめに生ごみを入れて撹拌させる必要があったり、外側が段ボールなので管理が大変だったりするが、チャレンジする方は結構いらっしゃる。

 

新井委員

合併前には大胡町でプラスチック製のコンポストを配布していたので、そういったものを考えるのも良いと思う。

 

幹事(倉林環境部長)

現在でも生ごみ処理容器に対する補助金メニューは実施している。それと、広報は市の政策を市民に知っていただくためのツールとして一番だと思っているが、ご承知のとおり、月2回だったのが1回になってしまった。これは予算だけの話ではなく、配布いただいている自治会の負担が高齢化などの理由で課題となってきたことも背景にある。そうなると自ずと新しい情報は月1のサイクルでしか伝える方法がないため、ページ数や情報量がどうしても多くなってしまう。その辺りは試行錯誤しながら進めているのでご理解いただきたい。

 

新井委員

家庭からのごみの排出量を減らすためにいろいろと知恵を絞っていただければと思う。今月の広報はすごく厚くて全部見るのが大変だった。視点を変えると一枚紙で各戸配布いただいた方が市民も見てくれるのではと思う。いろいろ研究していただきたい。

 

六本木委員

私は農協から来ているので農業を中心に話したい。農政部の職員が来ていないので意見としては非常に言いづらいが、農業はCO2削減に非常に有効な産業だと思っている。事務局とは以前メールでもやりとりさせていただいたが、J-クレジット制度や4パーミル・イニシアチブ、今日も話に上がったバイオマス発電、そういったものを後押しするような体制を作ってもらいたい。前橋市はTONTONの町なので、畜産との連携を考えればかなり大規模な発電ができると思うので、横のつながりを作りながら進めていただきたい。また、食物残渣などを活用する中で、一般的に腐らせたものは最終的には燃やしても腐っても炭素が他の物に変わるわけではない。CO2になるまでに要する時間が違うだけなので、くん炭などにしながら4パーミル・イニシアチブの中で1年に1000分の4ずつ炭にして安定的な炭素として土に返していくというのがCOP21で提案されて世界でも多くの国や地域が後押しすることを表明している。計画の見直しを検討する中で、市の行政分野を幅広く取り入れながら進めていただければと思っている。

 

議長(西薗会長)

農業とバイオマスというのは非常に関係が深いことは直感的に分かると思う。そのバイオマス利用の話がいくつか出てきたが、野に置いて腐っても当然最後はCO2になる。それから山火事が世界的に問題になっているが、山火事が起こってもCO2になってしまうわけだが、その場合も我々はエネルギー利用ができていない。そこをきちんとエネルギー利用をする体制を横の連携も図りながら作っていく必要があるというのが六本木委員の話だと思う。前橋市のような農業が盛んな地域では非常に大きな再生可能エネルギーのツールなので、それを意識した上で今後の計画を進めていくことになろうかと思う。

追加でお気づきのことがあればパブリックコメントも予定されているので、事務局の方に直接お寄せいただければ検討いただけるということで、本日はここで議論を打ち切りたいと思う。

議事(2)その他について

案件なし

3 閉会

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更新日:2023年03月03日