まえばしのGX
前橋市では、「ずっと住み続けたいまち」「 環境にやさしい社会」をつくるための大切な柱として、温室効果ガスを減らし、自然の恵みを活かしながら、暮らしやすい環境を守っていく「2050ゼロカーボンシティまえばし」を目指しています。
その実現に向けて、「地球温暖化防止実行計画(2021~2030)」を策定し、2030年までに市全体の温室効果ガスを44.5%、市役所の活動から出る分を31.8%減らすという目標を定めています。

今、環境政策課だけでなく、市役所のさまざまな部署で”脱炭素”を意識して事業に取り組んでいます。
また、市民のみなさんや事業者のかたがたと力を合わせて、地球にやさしく、地域経済も元気にする 「グリーントランスフォーメーション(GX)」を進めています。
市民・事業者・行政がそれぞれの立場で主体的に行動するとともに、力を合わせて歩んでいく未来――それが“まえばしのGX”です。

具体的な取組について
市有施設での電力シェア(まえばし発エネルギーの地産地消)
六供清掃工場でごみを焼却する時に発生する熱エネルギーを利用して発電し、22の市有施設に送電しています(令和7年度8月時点)。
この仕組みでは、発電設備のある施設で発電された電力を、別の離れた場所にある施設に送電することができます。従来は電気を使う施設の敷地内に発電設備を設置しなければならず、十分なスペースがない場所では自家発電が困難でしたが、この仕組みでは、既存の送電網を利用することで、離れた施設にも電気を届けることができます。
ごみ処理の過程で生まれる余ったエネルギーを有効活用し、さまざまな市有施設で使うことができるようになった結果、CO2排出量・電気料金ともに、大幅な削減を実現しています。
六供清掃工場の余剰電力を活用した自己託送事業を実施しています
庁内連携の強化
地域特性を活かしたGX戦略の推進に向けて、庁内で横断的に検討するため、ワーキンググループを設置し、 令和7年9月18日に第1回目を開催しました。
群馬県環境政策課と連携して、脱炭素型のまちづくりを疑似体験するロールプレイングゲーム型のプログラム(群馬県脱炭素まちづくりカレッジについて)を実施し、気候変動や脱炭素の基礎知識について、理解を深めました。
第2回目以降では、連携事業の一層の推進に向けた研究を行う予定です。
第1回目の様子
脱炭素まちづくりPLAY!
前橋市の新エネ事業
前橋市の豊かな地域資源を活かして地球温暖化対策を推進するため、小水力発電所や太陽光発電所などの新しいエネルギーの導入をしています。
発電した電力はFIT制度(固定価格買取制度)を活用して売電を行い、売電収益は環境関連施策の財源に充て、収益の市民還元を図っています。
また、一部は、市有施設への電力シェアにも活用しており、発電した電力を地産地消しています。
まえばし赤城山小水力発電所
赤城大沼用水からの水の恵みと赤城山の高低差を活かした小水力発電を行っています。
赤城大沼用水は、水不足を解消する目的で、昭和32年に建設されました。長さ約11.2kmの農業用水路は赤城山を貫流し、赤城山南麓の農地を潤しています。現在も、赤城大沼用水土地改良区と地域住民による機能保全・補修活動が継続されている農業用水路です。
まえばし大規模太陽光発電所
全国平均と比較して日照時間が長いという地域特性を活かし、脱炭素・防災・遊休地活用等を目的として、平成25年度から大規模太陽光発電事業に取り組んでいます。
【ここがポイント!】
これまで利用価値が低かった市有地(遊休地)を、新たなエネルギーの拠点として再生させました!
荻窪町太陽光発電所
中之沢町発電所
堀越町発電所
市有施設におけるESCO事業
前橋市では、市有施設での省エネルギーの推進及び環境負荷の低減、さらに光熱水費等の効果的な削減を図るため、「ESCO事業」を推進しています。
ESCO事業とは?
専門の事業者が、建物の省エネ化について、計画から改修までを一括して行い、光熱費などの削減できた金額を当該改修等の費用に充てる手法です。
例えば、市役所などの施設において、照明をLED化したり、空調やボイラーを高効率なものに取り替えたりすることで、環境負荷を減らしながら光熱費も削減できます。
ESCO事業により捻出された費用は、設備更新の支払に充て、支払の終了後は、経済的メリットにつながります。
ESCO事業を進めている施設
日本トーターグリーンドーム前橋
内 容…高効率ガス冷温水機や空調の外気制御、LED照明・誘導灯化、節水設備導入等
想定効果…省エネ率29.15%、CO2削減率28.57%
ESCOサービス期間…平成28年6月1日から令和13年5月31日までの15年間
市役所本庁舎
内 容…空調設備等各設備の更新及び光熱水費削減を含めた省エネルギー管理
想定効果…省エネ率22.29%、CO2削減率24.07%
ESCOサービス期間…令和8年から令和17年までの10年間


グリーン購入の推進
平成10年度から、調達方針を定め、環境に配慮した物品を優先的に購入しています。
市が環境配慮製品を率先して導入することで、自らの活動に伴う環境への負荷を低減するとともに、市民及び事業者に対しての啓発も行っています。
令和6年度では、対象製品11分野118品目に対して調達率100%を目標に定め、達成率は96.1%でした。
※令和7年度 対象製品11分野119品目
令和6年度分野別調達率の実績
グリーン購入とは?
物品の購入の必要性を十分に考慮し、品質や価格だけでなく環境のことを考え、環境への負荷ができるだけ小さいもの、すなわち製造、使用から廃棄に至るまでのサイクル全体の中で、環境に配慮された製品やサービスを購入することです。
家庭向けの新エネ・省エネ機器設置の補助
(1)燃料電池コージェネレーション
都市ガスやLPガス等から水素を作り、その水素と空気中の酸素の化学反応により発電します。エネルギーを燃やさずに直接利用するので高い発電効率が得られます。また発電の際に発生する排熱を回収し、給湯器としての役割も果たします。
(2)太陽光自家消費促進型自然冷媒CO2ヒートポンプ給湯機
太陽光発電の余剰電力を活用したヒートポンプ給湯機です。太陽光発電の発電量が多い時間帯にお湯を湧き上げることで、余剰電力を有効活用し、光熱費の削減につながります。
(3)定置用蓄電池設備
太陽光発電等で創った電気を貯めたり、必要なときに電気機器などに電気を供給したりすることができる設備のことです。蓄電池と太陽光発電を組み合わせることで、電気代の低減や災害時の備えることができます。
(4)V2H(電気自動車充給電設備)
太陽光発電等で創った電気を電気自動車に充電し、夜間や停電時には電気自動車に蓄えた電気を住宅に供給することができます。
(5)太陽光発電設備 ※(1)~(4)の設備と同時に新規で導入する場合に限り、補助対象となります。
各分野との連携
前橋市と各分野の事業者で連携しているGXの取組について紹介します。
農業×GX
令和6年度、前橋市と前橋市農業協同組合で 「前橋市環境配慮型農業 脱プラスチック・脱メタン」を宣言しました。
農業分野におけるマイクロプラスチック適正管理のための対策や、 水田から発生する温室効果ガスの低減促進など、 様々な事業の周知・実施を目指しています。
■マイクロプラスチック捕集ネットの設置
水田から海洋に排出されるマイクロプ
ラスチックへの対策として、取水口に
捕集ネットを設置。
生態系等への影響を軽減し、環境に配慮した持続可能な農業の在り方を研究しています。
【取組状況】
現在2法人と効果検証中
■J-クレジット制度の活用
水稲の中干し期間を延長することで、
温室効果ガスであるメタンの排出量
を削減。
国のJ-クレジット制度を活用し、その
温暖化対策を売却することで、農家の
収益向上にも繋がります。
【取組状況】
市内1法人と実証試験中
ほか3法人が中干し延長実施予定
公共交通×GX
自家用車依存社会からの脱却を目指し、公共交通事業者と連携した利用促進に取り組んでいます。
公共交通の利用者が増えると、市民1人当たりの日常生活におけるCO2排出量を削減できるほか、公共交通維持に対する市の財政支出の軽減にも繋がります。
市内運行のバス路線の利用者数は過去10年で最大!
GunMaaS、共同経営、路線の再編などの利用促進施策 により、過度な自家用車への依存からの脱却によるCO₂排出量削減を目指しています。
市内の公共交通情報については、前橋交通ポータルをご覧ください!

教育×GX
環境に配慮した生活が当たり前の社会となるためには、幼少期からの教育が重要です。
前橋市では、保育・教育現場等との連携により、こどもの頃から、日常のさまざまな場面で「環境問題」を意識できるような教育の推進をしています。
まえばし環境家族

平成21年度から毎年、小学生とその家族を対象として、夏休み期間に実施しています。
前橋市の豊かな自然を守って、たくさんの植物や生き物と一緒に暮らしていけるまちをつくるために、家族みんなで「水をこまめにとめる」「電気をこまめに消す」など、環境にやさしいアクションにチャレンジ!
チャレンジの過程を通して、こども本人だけでなく、その家族のかたにも「環境に配慮した生活」をたのしく体験いただける内容となっています。
環境講座「ラジアスと食品ロスを学ぼう!」
市内の保育施設において、こどもたちがたのしく食品ロスやSDGsを学べる環境講座を実施しています。園児からその保護者へと取組が広がり、家族全体で環境課題解決に向けた「環境にやさしい生活スタイル」の実践につなげていくことを目的としています。
食品ロス啓発動画
ラジアスのぬり絵
駄菓子屋
まえばしこどもエコフェスタ
児童文化センターを会場に、こども・親子向けの環境教育イベントを毎年開催しています。
脱炭素・環境配慮型の経営に積極的に取り組む企業、団体等の協力のもと、エネルギーや生き物について楽しく学べるゲームや、家庭でできる環境にやさしい生活について考える環境教室などを実施しています。
令和7年度は、11月22日(土曜日)に開催予定です♪


令和6年度参加団体
群馬日産株式会社、ヤマト運輸株式会社、東電PG株式会社、東京ガス株式会社、太陽誘電株式会社、群馬県地球温暖化中部地域協議会、前橋市環境政策課
この記事に関する
お問い合わせ先
環境部 環境政策課
電話:027-898-6292 ファクス:027-223-8524
〒371-8601 群馬県前橋市大手町二丁目12番1号
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更新日:2025年10月24日