令和元年度第1回みんなですすめる歯と口腔の健康づくり連絡会議会議録

審議会名

前橋市みんなですすめる歯と口腔の健康づくり連絡会議

会議名

令和元年度第1回前橋市みんなですすめる歯と口腔の健康づくり連絡会議

日時

令和元年7月11日(木曜日)午後1時30分~午後3時15分

場所

前橋市保健センター4階集団指導室

出席者

(委員)

田口委員、高松委員、本多委員、道下委員、谷合委員、猿山委員、平方委員、楯委員、赤石委員、大澤委員、萩原委員、齋藤健康部長、堀越教育委員会教育次長

(オブザーバ)

石原前橋市歯科医師会長

(関係課)

(社会福祉課)山口課長(子育て支援課)竹渕課長、亀山歯科衛生士(子育て施設課)福島課長(長寿包括ケア課)吉野課長(障害福祉課)鈴木課長(教育委員会総務課)田村課長(総合教育プラザ)板橋館長(保健総務課)本間副参事(国民健康保険課)利根川室長

(事務局)

藤田健康増進課長、樋口係長、原田副主幹、茂木副主幹、坂井歯科衛生士、青柳保健師

(同席者)

7名(群馬大看護学生4名、医師実地修練生3名の実習生)

欠席者

(委員)

矢畑委員、矢沢保健所長

議題

(1)平成30年度第2回連絡会議におけるご意見への対応状況

(2)平成30年度実績・令和元年度実施状況

(3)前橋市健康増進計画における歯科指標

(4)妊婦歯科健診の実施状況について

(5)年齢別DMFT指数の推移

(6)平成30年度成人歯科健康診査集計結果

(7)20歳・25歳の受診結果

(8)40歳への再受診勧奨ハガキ通知の効果

(9)噛むカムレシピコンテスト 「野菜を食べよう!ベジリンピック350」

会議の内容

1 開会(司会:藤田健康増進課長)

2 自己紹介

新しく委嘱された萩原委員、矢沢保健所長、堀越教育次長を紹介。オブザーバとして参加した石原前橋市歯科医師会会長の紹介及び全員が自己紹介。

3 議事

(1)平成30年度第2回連絡会議におけるご意見への対応状況

(坂井歯科衛生士が資料1により説明)

(田口会長)

1.については、前回の会議で「前橋市民の健康状況」の資料が配られた。成人の歯科健診について、地区ごとの健診状況に若干の差が出ている。糖尿病の指標であるHbA1cの値についても地域差がある。小学生の肥満についてなども地域差が若干あり、特定健診の運動習慣という部分でも地域差がある。同じ地域が、数値が高いとしてたびたび出てくる、という状況がある。これが何に起因するかという特定は難しいが、今後の研究で市民に役立つ健康情報が得られるのではないかと思う。

2.については、地域包括支援センターの利用者には、75歳以上の方が多く健診の対象外の年齢となるので、情報提供しても健診する機会がないのでは、ということがある。ただし、啓発していくことは重要なことであるため、今後もいろいろなところで啓発していければいいと思っている。

(道下副会長)

3.について、例えば子宮内膜症は慢性の疾患を起こすもので、最近になって全身の疾患と関係があるといわれている。このような、体の部分的な炎症が全身に影響を及ぼすという点では、歯周病がトップランナーである。これからもそうした疾患があるのだということを、歯科の点から発信していただければと思って提案したものである。

(2)平成30年度実績・令和元年度実施状況、(3)前橋市健康増進計画における歯科指標

(各関係課・樋口係長が資料2、茂木副主幹が資料3により説明)

(平方委員)

二つ質問させていただく。1番目は、資料2についてである。「実績」という数字が出ているが、目標数値などがあって事業がスタートしているのか?目標値があるならば、達成率はどのくらいか、という分析が必要ではないかと思う。例えば講習会などで、50回やるつもりが40回だったとか、そうしたものである。

(子育て支援課)

例えば、教室に何人参加させるといった目標値は設定していないが、妊婦歯科健診や1歳6か月児健診などは、健診率が上がってきている。気になる結果が出た子どもなどには、歯科衛生士が関わっていくなどの歯科指導に取り組んでいる。

(平方委員)

目安はあったほうが良いと思う。昨年よりも回数がどのくらいだったかということは、歯周病の対策のためにこれをしたから罹患率が減ったとか、これをしても減らなかったとかの因果関係が分析できるので、そうしたデータづくりをしていただけると有難い。

2番目の質問は、資料1についてである。1.の地域ごとに歯周病を有する割合が違うということは興味深く、「地区分析を継続」とあるが、どんな分析を行うのか?

(事務局)

この別添の資料は、国保のデータベースから抽出するデータが基本となっているが、歯科健診のデータによって分析を行っている。5年の累積データでの分析となっている。

(平方委員)

歯周病が多い地区と少ない地区に限るだけでも良いと思うが、なぜ歯周病が少なくなったかということを調べることによって、因果関係がわかるし、それをフィードバックして原因を伝えることにより、全体の歯周病を減らすことに繋がっていくと思うので、地区分析を行うことが良いと思ったのである。

(田口会長)

1番目の質問は目標値を定めて結果を検証すること、2番目の質問は地域差の原因分析を進めていった方が良いのではないかということである。今後の成果に活かしていっていただきたい。

資料2については、妊娠期から高齢期までの一貫した歯科保健の推進ということで、様々な事業を色々な角度から行っていただいている内容である。こんな事業もどうだろうといったことがあったら、提案していただければと思う。

(高松委員)

資料3の中の「12歳児の一人平均むし歯数の減少」について、この本数が多いか少ないかはわからないが、30年前などと比べれば減少している。ただ、歯肉炎については昔に比べると増えてきていると思う。学校歯科医会のほうで調べたところによると、小学校5・6年生では、7割くらいの子供に歯肉炎がみられる。そのため、今後は歯肉炎の罹患率も示していただけると有難い。

(田口会長)

資料3については、国が定めた目標値に対し、群馬県と前橋市がどんな状況かということを示した表である。指標を上回っているところもあれば、下回っているところもある。ただ、40歳代、50歳代、60歳代における国の目標値はかなり高いところにある。どのように数値が設定されたのかなどがわかるか?

(事務局)

(「健康日本21」策定時に厚労省が出した資料に基づいて説明)

40歳代の歯周病については、平成11年度から17年度までの変化がわずかに減少し、良い傾向を示していたことと、糖尿病のリスクも踏まえた上で厳しい値に設定。60歳代については、平成11年度から17年度までの変化がわずかに減少して良い傾向を示していたことを踏まえたが、60歳代で歯周病を改善傾向に向かわせることの難しさを考慮し、目標値を設定したということである。

(萩原委員)

資料1の2.についてだが、サロンの参加者は対象外であるとしないで、何か配布物があれば、孫や家族に話しやすいのではないかと思う。「効果的な受診勧奨方法を検討する」とあるが、いつまでに検討してもらえるのか?

(田口会長)

参加者が受診の対象外だから、ということではなく、健診の対象年齢とは外れているということである。ピンシャン体操や口もぐもぐ体操などの時に、情報の周知は行っている。

(萩原委員)

ピンシャン体操などの時に、健診の話などもしているということか?

(長寿包括ケア課)

出前講座やピンシャン体操の時などに、要望があれば口腔の話もさせていただいている。そのほか、介護サポーター養成の時にも口腔のことは含まれているなど、様々な形で口腔ケアの話は、織り交ぜている。

参加者が健診の対象者でないことが多いが、家に帰ってから健診に関して話をしていただくことも考えて、効果的な健診の勧奨方法を考えていきたい。サロンなどは勧奨だけではなく、歯の健康に関するチラシを配布するなど口腔ケア全体の啓発を図っていきたい。

(田口会長)

これからはオーラルフレイルなどの問題もあるので、高齢者の歯科保健は重要になってくる。今後はそちらに目を向けていくことが重要となってくる。

(石原歯科医師会会長)

オーラルフレイルの話が出たが、歯科の領域一つで完結する話ではない。口の中の衰えを早期に見つけ出すことで全身の衰えを防止する策を医科歯科連携して包括的にケアするというものである。今後は医科とも連携を深めていきたいと思う。

(4)妊婦歯科健診の実施状況について、(5)年齢別DMFT指数の推移

(子育て施設課が資料4、田口会長が「パーソナル・ヘルス・レコード(PHR)の利活用」と「母子健康情報サービス」についての当日配布された参考資料を説明。教育委員会総務課が資料5を説明)

(田口会長)

昨年度の第1回目の会議でも出たが、DMFTの数値は低いが、一人で多くの虫歯を有している子どもに注意するべきと意見があった。虫歯の数は1本に満たない低い数値であるが、これをもっと低い数値にしなければいけないのかといったことはあるのだろうか?

(高松委員)

この数値をどのように信頼するかは難しい問題だが、一つの学校に、一人で虫歯を多く持っている子がいれば平均値は上がる。先ほども市内の地域格差という話があったが、世界においても健康格差はある。そのため、平均値をどの程度の数値で判断するかは難しいところである。この指数は3,40年前から続いているもので、これだけ下がっているのは虫歯保有率が下がっていると判断できる。その一方、経済格差などで、虫歯を多く保有している子がいるなど、様々な問題もはらんでいるので、難しいところである。

(本多委員)

小学校の中でも地区による差があると感じる。そのため、DMFT指数も地区ごとのデータを出していただけると見えてくるものがあるのではないかと感じている。

(田口会長)

子どもの肥満についても、別の資料では色々な疾病の予備軍になるということと、地域差がある。そうした子どもたちの状況とも関係があるのかどうか、今後調査していければ、もっと詳しいことがわかると思う。

(谷合委員)

食事内容が歯の健康に関係してくると思う。親の食事が子どもに影響してくることもある。親の歯の状況が子どもの歯の状況とどんな関連があるのかも、食事と合わせて比較できると見えてくると思う。

(道下副会長)

妊婦歯科健診に関してだが、数字は下がっているが、着実に浸透していることは診察していてもわかる。周知もよくしていただいているようで、皆さん存在は知っている。あとは、どうやって受診に繋げていくかである。受診に繋げていく手段を一緒に考えていけたらと思う。

(6) 平成30年度成人歯科健康診査集計結果、(7)20歳・25歳の受診結果、(8)40歳への再受診勧奨ハガキ通知の効果

(坂井歯科衛生士が資料6、資料7、資料8により説明)

(田口会長)

昨年度から20歳と25歳の健診が始まり、空白区域であったところを埋めていただいた。これで一貫した歯科健診の推進が立ち上がってきた。傾向は毎年変わらないが、高齢者になると歯周病の進行した人の割合が増えてくる。ただ、20,25歳の若い人の中にも歯周ポケットの深い人が20~30%の割合でいる。これは歯周病発症の低年齢化を示している。糖尿病や喫煙が歯周病と関係あるということのデータの蓄積ができてきたということである。

40歳への再受診勧奨については、通知することで健診に気が付いていただく、認知していただくことが受診率の向上に繋がってきている。

母子健康情報の資料についてだが、欧米の歯科受診率は、日本に比べると圧倒的に高く、それに比例して80歳の残存歯率も高くなっている。スウェーデンやアメリカなどと比べると、日本の歯科保健に関する関心度が上がっていない。6月に行っている「歯と口の衛生週間行事」には、4日間で約1600人の市民が参加し関心は高まっているが、健診の受診行動に繋がっていかない。80歳の残存歯率はスウェーデンが25本、アメリカが17本、日本が13.4本であり、定期的な歯科受診の意味はある。現在の成人歯科受診率5.6%をどうやって上げていくか。今後の方法として、商工会議所を通して働いている人に周知していくとか、大学等でSNSを通じた勧奨を行っていくなどがあるのではないか。

(楯委員)

受診率を上げていくのは難しいが、かかりつけの歯医者がある人は、例えば定期的に通っていると診療代が安くなるといった、定期的に通うとこんなメリットがあるといったものがあるといいのではないか。歯医者さんに行きやすい雰囲気があると良いと思う。

(田口会長)

成人歯科健診は無料であるので活用していただきたいが、歯医者の雰囲気も含めて今後努力していくところでもある。

(赤石委員)

歯医者というと予約が必要なことや、短い時間で何回も通わなくてはいけないなど、時間が取れないという風に考えている人もいると思う。そういった点が少し改善できれば、歯医者に行こうと考える人が増えるかもしれないと思う。

(大澤委員)

歯科医院には、健診のポスターなどは貼ってあるのか?

(田口会長)

貼ってある。

(大澤委員)

私は気づかなかったが、やはり知られていないので、一般の人に広める方法があるといいと思っている。

(猿山委員)

今日、ケアマネージャーから連絡があった。利用者の頬がはれ上がり、「瘤取り爺さん」状態になっており、歯医者に行ったら歯肉炎の酷いものだったと報告があった。そんな状態になるまで本人が放っておくことが、高齢者の感覚である。ご飯を食べることに問題がなければ、歯医者に行く必要はないという感覚が、高齢者の中にはあると思っている。いかに口腔ケアが大切かということを広めていくことが大切であるということを、感じているところである。

若い人が歯を磨かないということを聞き、なぜかと考えた。例えば、職場の年1回の健康診断はあるが、風邪を引くなどしなければ病院へは行かない。歯科も同じで、歯を磨かなくても痛みがなく、実際には歯肉炎が進行していても、感じなければそれで過ごしてしまっている。そうした世代が20代なのではないかと思っている。

職場の健康診断の中で診てもらう機会があればいいと思う。高齢者に限らず、口のことに関心を持つ時というのは、自分で大変だと思った時である。大変だと思わないようにするにはどうすればいいのかというと、受診勧奨ができればいいと思っている。今の歯科医院は、健診時期の通知なども行ってくれる。歯医者さんと懇意になれば、もっと気軽に行きやすくなるのではないかと思う。

(9) 噛むカムレシピコンテスト「野菜を食べよう!ベジリンピック350」

(坂井歯科衛生士が資料9により説明)

(谷合委員)

噛むことによって、脳に刺激がいったり、唾液が分泌したりするので、噛むことは非常に重要である。早食いになるとたくさん食べてしまう。仕事で生活習慣病の方に栄養指導することが多いが、糖尿病や体重の多い人は早食いの人が多い。そのため、小さい頃から噛む習慣をつけてもらうことが良い。噛まなければいけない食材を使ったレシピを、子どもたち自らに考えていただいて、給食などに取り入れていけたらと思う。給食の時間も短いので、噛む習慣を意識付けできるといいのではないかと思う。

(田口会長)

以上で、本日の議題はすべてである。他に何かあるか?

(健康部長)

最後にアピールさせていただきたいことがある。

全家庭に健康診査の受診シールが配布されているが、自分の封筒を必ず開封していただきたい。中身を見ていただければ、今年のご自分の健診該当項目が入っている。必ず開封していただくということをお願いしたい。前橋市の場合は、他の県内市町村とは違って、すべて無料で受診できる。そうしたところを、委員の皆さんのご家族や職場の方、近所の方にも口コミで広めていただけると、非常にありがたい。

また、「健康のしおり」というものが、4月1日に広報まえばしと一緒に配布されている。この中には、子どもから高齢者までの健康や救急に関するものがすべて網羅されている。こちらにも目を通していただき、有効利用していただきたい。

8 閉会(司会:藤田健康増進課長)

以上

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更新日:2019年07月30日