第31回アーツ前橋運営評議会報告
審議会名
アーツ前橋運営評議会
会議名
第31回アーツ前橋運営評議会
日時
令和6年10月7日(月曜日)午後1時~午後3時
場所
アーツ前橋 1階スタジオ
出席者
委員
友岡委員長、片倉副委員長、青柳委員、天野委員、加藤委員、郡司委員、小嶋委員、小林委員、櫻井委員、前山委員
事務局
南條特別館長、小坂部長、大原課長、出原館長、徳野副館長、上田総務担当係長、庭山学芸担当係長、宮本チーフキュレータ―、辻学芸員、酒井副主幹
欠席
なし
議題
1 令和5年度・令和6年度事業結果について
令和5年度事業
(1) 展覧会事業「前橋の美術2024」
(2) 教育普及事業「あーつひろば・アーツナビゲーター」ほか
令和6年度事業
(1) 展覧会 「リトゥンアフターワーズ」
(2) 展覧会「new born」
2 令和6年度 今後の事業内容について
展覧会事業
(1) 「リキッドスケープ」
(2) 「はじまりの感覚」
地域アートプロジェクト事業
(1) 劇団「マームとジプシー」による滞在制作
(2) MUJI 無印良品+元木大輔(DDAA)連携
3 事業運営状況・前回の指摘事項等
会議の内容
1. 開会
【南條特別館長あいさつ】
特別館長に着任してから1年半近くが経った。その間、内外で改善できるところは改善しながら、昨年9月に10周年企画を開催した。最近、東京の美術業界で評判を聞くと、アーツ前橋の話題は展覧会の内容にシフトしてきており、過去の問題は登場しなくなった。そういう意味では、イメージが変わってきたと安堵している。
今回は、令和5・6年度の実施済事業の報告と令和6年度の進行形の企画等を説明し、皆様からアドバイスをいただきたいと思っている。短い時間だが、忌憚のない意見をいただきたい。
【小坂部長あいさつ】
4月から文化スポーツ観光部長としてお世話になっております。3年前のアーツ前橋あり方検討委員会に行政管理課という立場で関わったことがあり、それまではアーツ前橋の展覧会鑑賞に年に1度くらいであったが、アーツ前橋には縁ができたので今後は、展覧会にたくさん顔を出したいと思っている。南條特別館長からも話があったが、いろいろと前向きに進めているということで、当時からすれば良くなったと思っている。
アーツ前橋運営評議会があることは知っていたが、いろいろな立場の皆様がいらっしゃるので忌憚のない意見をもらえれば、進め方や課題が明確になると思うので、よろしくお願いする。
【友岡委員長あいさつ】
小坂部長から運営評議会の話があったが、私と片倉副委員長は旧運営評議会からの残留組である。なぜ残留したかというと、旧運営評議会のある種の反省であり、それを次の世代に伝えなければならないという使命感を持っていたからである。どういう反省かというと、以前の議事運営は事業報告にもの凄く時間がかかっており、結果として、より重要なアーツ前橋の組織運営のあり方を十分に議論できなかったということである。
本日の議題も盛りだくさんになっているが、議事進行に関して議事1・2の事業結果や今後の事業内容については基本的な報告に留めてもらい、委員の皆様の意見・質問も絞ってもらって、議事1・2はスピーディに進めたいと考えている。一番重要であろう議事3の事業運営状況等に関して、次の運営評議会に向けてという視点も踏まえて、委員の皆様から意見を出してもらいたいと思っているので、どうぞよろしくお願いします。
2. 議事
1 令和5年度・令和6年度事業結果について
令和5年度事業
(1) 展覧会事業「前橋の美術2024」
(2) 教育普及事業「アーツひろば・アーツナビゲーター」ほか
資料に基づき、事務局から説明を行った。
【質疑応答】
特になし
令和6年度事業
(1) 「リトゥンアフターワーズ」
(2) 「new born」
資料に基づき、事務局から説明を行い意見交換を行った。
【委員】
山縣展は非常にインパクトのある展示だったと思うし、荒井展に関して入館者数の達成率は40%だったが、フリッツアートセンターとの協力が実現したというのは非常に驚くべきことだったと思うし、寺尾紗穂さんという非常に注目されているミュージシャンのライブが実現したというようにユニークな試みが行われたと受け止めている。
2 令和6年度 今後の事業内容について
展覧会事業
(1) 「リキッドスケープ」
(2) 「はじまりの感覚」
地域アートプロジェクト事業
(1) 劇団「マームとジプシー」による滞在制作
(2) MUJI 無印良品+元木大輔(DDAA)連携
資料に基づき、事務局から説明を行った。
【質疑応答】
特になし
3 事業運営状況・前回の指摘事項等
資料に基づき、事務局から説明を行い意見交換を行った。
【委員】
グループ展で作品を集荷するときは美術輸送なのかどうか、グループ展の作家フィーはどのくらい払っているのかを伺いたい。昨今のアーティストの動きとして、作家フィーなどの条件が悪いという指摘もあり、美術館としては気を遣っているところだ。
コレクションを全面に出すためにホームページへの掲載やデータベースで検索できることは必須だと思う。広報について各美術館が苦労しているテーマだが、最近面白いと思ったのは、東京の太田記念美術館はコレクションである虎子石をイメージキャラクターにしたところ、エックス(旧ツイッター)のアクセス数が一時ルーブル美術館に並ぶほどになった。それを契機にインバウンドにつながったというように、現在は東京という目印よりも、珍しいものや見たことがないものに惹かれるようだ。これもコレクションとつながっている話題であると思っている。
学芸員体制は正規職員をとにかく増やしてほしいと思う。5年というような期間雇用の場合、仕事を覚えてこれから頑張ろうというときに辞めなければならない。こんなにもったいない話はないので、ぜひ検討してほしい。
【事務局】
作家フィーは基本一人10万円とし、制作費は別で支払っている。集荷は美術輸送だが、大変な状況になっている。具体的には展示や撤去の日程が合わないため、委託できる業者も少ない中でかなり厳しい。県内の業者ではできないかもしれなく、県外に頼む場合は金額が上がっていく可能性が高い。作家フィー等には関してはしっかりやってきたが、それ以外に脆弱な部分もあり、照明に関しても作業員にさせられなくて、自分たちで作業をやらなければならない状況もある。
【委員】
展示用のスポットライトも買ったほうがいいのではないか。照明の調光ができていないように見える。
【委員】
展覧会の回数の問題について、収蔵品をたくさん持ってもいるので、令和6年度については開館日数が詰まっていて良いことだと思うが、令和3・4年度は休館日が多かったと思う。収蔵品を使うなどしても開館日数を増やすことがアーツ前橋の存在理由だと思うので、開催費用を増やすというようなことではなく、無理のない範囲で運営していただきたい。
【事務局】
開館日数の調整は難しいが、コレクションについてはできるだけ紹介する。大きなコレクション展は2・3年に1度やらなければならないと思っている。コレクションを使うことはしっかりしていきたい。
来年度には、昨年度の寄贈作品と今年度の購入作品の新収蔵の紹介をしっかりやろうと思っている。コレクションは美術館の基本であるから、購入費を確保して、まだ少ない作品数を増やしていき、違った内容の作品も入れていって、広がりのあるコレクションにしていきたいと思っている。
【委員】
開館日数で気をつけたほうがいいのは、客数が少ないからという理屈をつけながら予算を減らすのに一番簡単な手法が休館日を増やすということ。割と長期に休んでいるということを私の美術館でも行っている。そのようなことがないように気をつけいただくことがいいと思う。
【委員】
展覧会のアンケート調査について、満足度や全体の印象が出ていたと思うが、荒井展は良かったが前橋の美術の方が低かった。面白いと思ったのが、展覧会の満足度で全体の印象が上がる傾向があるということ。同じようにスタッフの対応についても満足度に影響を受けているようである。満足度の高い展覧会を作るように頑張っていただきたいと思う。
評価調書の決算について、総額は記載してあるが細かい経費の内訳がないので、無駄がなかったか分からないので判断がつきづらかった。
展覧会づくりに慢心していて、教育普及が後回しにされている印象があるが、モデルにしている美術館はあるか。
【委員】
教育普及に関して、これまでの意見交換や資料を拝見するに館としても問題意識を持っていると感じる。学芸員体制の拡充と書いてあるが、マンパワーが不足している状況で教育普及にエネルギーを割くことができないという現状があると推察される。
【事務局】
学校との連携をできるだけやっていきたいと思っている。ただし、現在の前橋市の体制では学校から生徒たちを連れてくることが難しい。バスを用意して連れてくるという予算も確保できていないので、もし、アーツ前橋に連れてくるとするとPTAからお金を集めなければいけないというように、今の学校の状況では難しい。県に裁量(県教育委員会採用・異動)のある先生に市の教育委員会がどこまで言えるかというのもあるが、市全体として取り組まなければいけないという状況もある。アーツ前橋の情報については、全児童生徒に配布されたタブレットで配信しているので知っているとは思うが、そのためには保護者が連れてこないといけない。子ども達を連れてくる保護者は意識が高い人たち。そうでない保護者では難しい。学校との可能性を教育委員会と話しているが具体化まではできていない。
まずは先生の研修を隣接の元気21や当館で開催するなど、先生に来てもらうことを行っている。開館以来10年間働きかけてきたが、もう一度再チャレンジをしていきたい。子ども達が来てくれると随分と雰囲気が変わる。子ども達は現代美術が好きだと思う。すぐ触りたくなるほどである。
ここでは対話型鑑賞として解説ではなく意見を出し合うということを行っているが、活かしきれていなくて残念である。来てもらえないからこちらから出向いていたというのも面白いので再開したいと思っている。そのためには専属のスタッフが必要であるが、現在その余裕はない。前の10年を受けてバージョンアップしていきたいが、それができていない状況を学芸員全員歯痒いと感じている。
【委員】
指摘の決算の内訳については次回以降検討してもらえればと思う。
【事務局】
アンケートに結果について、展覧会ごとに県内の来館者が多い、県外の来館者が多いによっても傾向がまちまちになるという状況もある。
受付スタッフの対応がちょっと不満という意見もあったので、受託業者には今年度受付監視の接遇にしぼった研修を開催してもらった。
【委員】
収蔵管理について、開館当初は小中学校にあった美術品のうちどれを収蔵庫に収蔵しどれを残すかという整理をし、収蔵スペースを余分に用意して寄贈・寄託をしていこうという方針だったと思う。現在小中学校に置いてある美術品についてどの程度整理が進んだのか。また収蔵庫は足りている状況なのか。
教育普及について、館長の説明もあったが、小学校等の義務教育の方が来られないという状況が前々からあり、その際の回答が地域と密着した地域アートプロジェクトを頑張ってきたとのことだった。やはり、常勤の学芸員が必要だと思うので人員要求を強くしていただきたい。
広報・観光について、当館はいくつかのアートが組み合わさって「アーツ前橋」になっていると思うが、アーツ前橋をシアターだと思っている方がかなりいる。前橋市立美術館というように具体的に美術館という名前を出す時期にきていると思う。ただし、いろいろな芸術を包含するアーツ前橋を否定するものではなくて、あくまで名称として一般の方が来きた場合、県立美術館が遠いということもあるので、県外の方のための広報活動も必要ではないかと思っている。
教育普及に関して、大川美術館の庭で幼稚園児が写生をしている様子を見たことがあり、近くの観覧車が見えたりと開かれた美術館としての印象がある。当館でも幼稚園などに宣伝し、著作権の許可の可能性もあると思うが、写生できるようなことも検討してもらえるとありがたいと思う。
【事務局】
一つ目の収蔵場所に関して、いろいろな案件が起こった後も含めて、館外にあるものの整理を進めた結果、現在は基本館内にある。館外では、一部教育プラザや大胡シャンテにあるものを整理している途中である。今後に向けて収蔵すべきかというどうかという課題も引き続き議論しなければならないと思っている。学校等にはもうない。
館の名称に関して条例等に記載されている中で、特別館長等からも言われていたりしているが、現在は広報物には必ず「市の美術館」や「公立美術館」という併記するようにしている。条例に追記するかという議論は市民合意が必要になるなど次のステップであると思うが、課題としては認識している。
【事務局】
教育プラザについては基本的に資料だけとなった。貸し出している作品以外はすべて館内に収蔵したので作業しやすくなったし、管理できるようになった。3月までにはある程度データをしっかり整理していきたいと思っているので、少し安心してもらえるかと思う。市役所にも作品が展示されているが、それらに関しては借用依頼書を出してもらっているので、管理もできるようになったし、データを見ればどこに貸しているかということもすぐに分かる。前橋市と美術館が所有しているものも区別できるようになっている。
広報まえばしを見てもらえると「前橋市立の美術館」「公立美術館」などと掲載するようにしている。いまだ前橋市民にも、アーツ前橋が美術館と分かっていない方もいるので、前橋市の市立美術館だと知ってもらう努力をしている。
教育普及は、専属の学芸員がいないと大変である。展覧会と同じくらい教育普及は大変な事業なので、市に認めてもらい学芸員を雇いたいと切に思っている。
【南條特別館長】
名称について、委員と同じように感じている。そろそろ名前を変える時期ではないかと言ったが、前橋市立美術館、前橋市現代美術館など誰もが腑に落ちる名前にすべきだと思っており、アーツ前橋が美術館ということを市内の方も認識していない。しっかりと変えるべきだと思うが、名称変更には大変なコストがかかる。予算措置をしてもらい、徹底していくべきだが、そう簡単にすぐに動かないかなと思う。前市長にも現市長にも言ってきた。
さらに言えば、面白い美術館になるためにも独自の建築物を持つべきだと思っている。もともとデパートを改装したので使い勝手が悪く天井に走っているダクトなども見栄えが悪い。ギャラリースペースとして見たときは、極めて中途半端で良い空間とは言えない。やはり解消するためには美術館を建てるべきだと思う。現在図書館を建てるところなので、その次の目標に美術館をもってきて前橋市の顔にしていくべきだと思う。
美術館というのは、シビックプライドの象徴であり、情報を発信するというひとつのメディアでもある。それなりの美術館があることで、前橋は文化・美術というものをこういうふうにこの美術館に集約していく、象徴していく、これがひとつの顔になっていくというメッセージを発信する必要があると私自身は思っている。
【委員】
まずは、子ども達の教育に関して、人が来ないというのはとても大きなことだと思うが、展覧会の構成を見て夏休みに開催された展覧会は、基本的にはこども向けの絵本という荒井良二さんの展覧会だったと思う。しかし、アンケートを見ると、もっとも多いのが40・50代となっている。夏休みの展覧会でもっとも期待できるのは20・30代と子ども達のファミリー層がターゲットだと思うが、そこが周知できていなかったのかどうか。また、荒井さんの展覧会は、巡回展としてもそれほど子ども向けとアピールされてきたわけではなかったのではないかと思う。横須賀での展覧会でも、子ども向けでないというように、どの時期にどの展覧会を構成してというような戦略的な視点というのがあったのかという疑問がある。
もう一つは、アーツナビゲーターが対話型鑑賞のトレーニングをしているとのことだが、その方々がどこでどのように活動しているのか。館内に限られているということだと思うが、人手がない中で学校に行きづらいということ、学校からも来てもらいづらいという状況は、地方のどこの美術館でも同じだと思う。例えば郊外は車1台あればもの凄く動ける。平塚は寄贈を受けた車が1台あるが、市で車を持っていると思うので、学校に行くことができる。それからナビゲーターが学校に行き、少しお金をかけて綺麗な作品のパネルを作り鑑賞授業のお手伝いをしてもらうなどいろいろと補える方法があると思う。
もう一つには、スポンサー企業にバスの運行をお願いするというのはできないことではないのではないか。解決策はいくつか考えられると思う。人が要らないといっている訳ではなく、人がいなければ質の高いプログラムはできない。少ない人数でも効率的に回していくかという工夫はありえるかと思う。
名称に関して、特別館長の話はもっともだと思う。気になっているのが、60・70代がほとんどきていない場所だと見える。市の人口割合でいえば、高齢者の割合は非常に高くなっていると思うので、そこも掘り起こす工夫が必要になってくると思う。そのためにも分かり易い名称は必要になってくる。ただし、きっかけとして休館明けがタイミングだったと思う。いまは時期を逸しているので、新しい美術館を建てるときに名称を変えていくというように、大きなインパクトをもって周知できる方法がよいのではないか。まずは美術館としての体制を整えて行く中で、名称の問題も考えるのがよいと感じた。
【委員】
リニューアルして以来、展覧会の内容が話題にできるということを嬉しく思っており、ありがたくも思っている。教育普及に直結するし、長い展望、教育的な視点をもって美術館と繋がれる人材育成をしていくというのがすごく大事なことだと思う。できる限り生徒をアーツ前橋に連れて来たいと思うし、その中で荒井展でも生徒が学べる場を継続して設けてもらえていることにありがたく思っている。
今後の内容だが、アーツ前橋が動くとまちが動くという楽しみであったり、社会実験的であったりするところも含めて、市と一緒にアーツが動いているのが見えている形でワクワクすると感じている。
「はじまりの感覚」展について、視覚だけに依存するのではなく新たな感覚、多くの人が鑑賞の行為を捉え直すというところでとても大事なきっかけになる展覧会になるのではないかと思う。美術館はアクセシビリティに力を入れているところだと思うので、三輪さんという作家が入ることで、今まで蓄積してきたノウハウとか実験的な試みとかをアーツと一緒にさせてもらえるところでアクセシビリティの課題に向き合うという意味でも必然的な機会になると思う。美術館とウェルビーイングも話題だが、アーツ前橋がもっともっと市民に寄り添うとか受け皿になっていく充実した形でよいきっかけになったらいいと思い、協力をしていきたいと思っている。
【委員】
教育普及について、学校に対してこれまでもこのような働きかけしてきており、今後このような働きかけをしていきたいという話があったが、学校現場からすると大変ありがたいと感じている。コロナ禍を経て、生で観たり聴いたりするという大切さを我々教員も子どもたちも感じていると思っている。
前橋市内では移動音楽教室であったり、鑑賞教室であったりということが再開している。学校に作家が来て鑑賞教室が開催されるというのは大変ありがたいと思うところ。ただ、市内の小学校は50校近く、中学校も10数校ある中で、それをどう対応していくかということを考えたときに、さまざまな校外学習を計画する中で、交通費がかなり上がっている状況があり、保護者の負担を考えると、今までどおりの実施は無理かなと感じている。工夫が必要であり、たとえば単学年で実施しているものを複学年で実施するなど、バスをうまく活用できるようにしないと保護者負担がかなり出るのという話もしている。
生で観ることが一番だがさまざまな課題があると考えている。幸い学校ではICTの活用ということで、前橋市では全児童生徒にタブレットが配布されており、それを持ち帰ることもできるので、例えば生ではないがアーツ前橋の作品展の解説を学芸員にしてもらうとか、現在学校で取り組んでいる図工美術作品展に向けてアドバイスをオンラインで繋ぐなどならば手間や費用が軽減できるのではないかと感じた。
【委員】
前橋文学館の萩原特別館長との話題の中で、「触れるのは良い」という話があった。文学作品はショーケースに入っているのが基本だが、「触れる文学作品」というのを検討しているとのことである。話は飛ぶが、墜落した日航機の慰霊碑も風化させないという意味でも触れるというのが良いという方もいた。
11/16・17に前橋学校フェスタがあり、7千人近くが来場してくれる。そこには子どもだけでなく親や祖父母も来るので、宣伝に利用してもらえたらと思う。
【委員】
地域連携として8月・9月に郵便局と連携した手紙イベントを開催したが、作家の作品をミーナに置いてもらったところ作家が大変喜んでいた。自分が関わると身近に感じるというのがあるので、街の回遊という事業を行っている。
アーツ前橋のサポート店を街なかで募ってみてはどうか。文学館はポスターを持って来てくれるので、宣伝しやすいが、持ってくるには手間がかかってしまい大変だと思う。まちのサポート店の条件として、ある期間ポスターをアーツ前橋に取りに来てくれる、そのポスターには100円割引の二次元コードが付いているなどだと宣伝しやすいし、客との距離が近づき店舗側も楽しくなれる。
発信力のある店舗にサポート店になってもらい、街の回遊のひとつにアーツ前橋という美術館があると宣伝してもらうというように、街のみんなで盛上げられると良いといつも感じている。他の店舗に回ってほしいと依頼してもらえれば、足を使って他の店舗に話をするつもりでいる。
タブレットの話があったが、手紙イベントもチラシを学校に配布しようとしたが、紙でなくても大丈夫だと聞いて、1枚も刷らずに渡すことができた。そこに割引チケットをつけて見に来てください、というように招待すると効果が高いのではないか。
【委員】
回遊の仕組みをどう作るかということに関して、先日トークイベントで司会をしたが、現在前橋では文化関係スポットが多く生まれつつある。どう連携していくかという話をしており、ニューホライズン展については街なかを回遊させるきっかけになったかなと思う。もう少し恒常的に行われる空間を作ったほうがいいと感じた。
また、子どもとの関係で、アートに対する意識の高い家庭とそうでない家庭の中で格差が生まれてしまいかねない状況を問題視する発言があったと思うが、それは重要だと思う。家庭による文化的人権の格差を生み出してしまう状況に何ができるのかというのは前橋市の施設として是非検討してほしいと感じる。
学校フェスタはものすごい盛況であり、親族が全員集まるくらいの人数であるので連携するというのは確かに重要だと感じた。今後は教育普及や地域アートプロジェクトに軸足を置いていく活動が進んでいければといいと願っている。現状は難しいとは理解しているので長期的な課題として検討してもらえればと思う。
散歩の達人11月号では「前橋高崎」が特集されており、特に前橋がアートの街として大きく変わりつつあると編集者から注目されている。そういう意味で本当は“いま”動くのがすごくいいのだろうと感じた。
【事務局】
高校生以下無料ということも含めて周知している。教育委員会との連携や他展覧会のターゲットに関して、夏休みということで学校であったり、保育の現場であったりとアプローチしていたが、実際にそれだけの反響はなかったことは検証したい。
【委員】
バスの話で新潟市では予算化し年間で5校くらいに手を挙げてもらい、その前段として学芸員が学校に説明に行くということをセットで事業としてやっている。
3. その他
【事務局】
次回の運営評議会について、年度内の3月を予定したい。委員任期中としては最後になろうかと思う。次期の引継ぎについては個別に相談したい。
1階のミュージアムショップが替わることになり、公募手続きをホームページ等に掲載している。選定委員に運営評議会から一人お願いしたいと考えており、委員長に打診したことを報告する。
4. 閉会
主な意見等
・作家謝礼の支払い方法について(美術館として気を付ける点である)
・収蔵作品のホームページ掲載やデータベース検索機能は必須だと考える。
・広報は各美術館が苦労しているテーマである。「東京」ということよりも、「珍しいもの」や「見たことがないもの」に惹かれるようだ。
・正規雇用の学芸員を増やすことを検討してほしい。
・収蔵作品も活用し開催日数を確保することがアーツ前橋の存在理由である。
・予算削減のため休館日を増やす選択にならないよう気を付けたほうが良い。
・展覧会の満足度が全体の印象に影響を与えている。またスタッフ対応も展覧会満足度に影響を与えている。満足度の高い展覧会を目指してほしい。
・館でも問題意識を持っているようだが教育普及事業が後回しになっている印象がある。マンパワーが不足し教育普及事業にエネルギーを割くことができていないと推察される。常勤の学芸員が必要だと思うので人員要求を強くしていただきたい。長期的な展望、教育的な視点をもって美術館と繋がれる人材育成をしていくことが大事である。
・今後、教育普及や地域アートプロジェクトに対する活動が進んでいければといいと願っている。現状は難しいとは理解しているので長期的な課題として検討してもらえればと思う。
・事業決算の内訳が判断できる評議会資料を検討して欲しい。
・館内外保管作品の整理・管理状況を伺いたい。
・(広報のことも含め)館の名称に「美術館」という名前を出す時期にきているのではないか。美術館体制を整えて行く中で、名称の問題も考えるのがよいと感じた。
・幼稚園児の写生などの受け入れがあってもよいのではないか。
・夏休み会期のターゲットとアンケート集計結果の年齢層にずれがある。展覧会内容と開催時期に戦略的な視点があったのかどうか。
・「はじまりの感覚」展は、アクセシビリティの課題に向き合うという意味でも必然的な機会になると思う。
・コロナ禍を経て、生で観たり聴いたりするという大切さを教員も子どもたちも感じている。アーツ前橋展覧会の解説を学芸員にしてもらうとか、現在学校で取り組んでいる図工美術作品展に向けてアドバイスをオンラインで繋ぐ取り組みならば手間や費用が軽減できるのではないか。
・(アーツ前橋の隣の建物である「前橋プラザ元気21」が会場となる)学校フェスタが開催される。子供たちの親や祖父母の来場もあるため展覧会の宣伝に活用したらどうか。
・発信力のある店舗にアーツ前橋の「サポート店」になってもらうような取り組みがあれば、街の回遊、街のみんなで盛上げられると思う。
・ニューホライズン展は街なかを回遊させるきっかけになったと思う。さらに恒常的に行われる空間を作ったほうが良いと感じた。
・家庭環境による文化的な格差が生まれてしまうような状況に対し前橋市の施設として何ができるのか検討してほしい。
・(各種雑誌への掲載など)前橋がアートの街として大きく変わりつつあると注目されている。そういう意味で今動くのがすごくいいのだろうと感じた。
関連書類
委員名簿(令和6年度) (PDFファイル: 104.1KB)
アーツ前橋運営評議会設置要綱 (PDFファイル: 84.0KB)
資料1-(1) 前橋の美術2024(評価調書) (PDFファイル: 238.6KB)
資料1-(2)_前橋の美術2024(アンケート結果) (PDFファイル: 773.4KB)
資料1-(3)_教育普及事業あーつひろば(評価調書) (PDFファイル: 257.3KB)
資料1-(4)_教育普及事業アーツナビゲーター(評価調書) (PDFファイル: 254.5KB)
資料1-(5)教育普及事業(その他) (PDFファイル: 109.5KB)
資料1-(5) リトゥン・アフター・ワーズ展(評価調書) (PDFファイル: 278.1KB)
資料1-(6)_リトゥン・アフター・ワーズ展(アンケート) (PDFファイル: 1.4MB)
資料1-(7)_newborn展(評価調書) (PDFファイル: 242.1KB)
資料1-(8)_newborn展(アンケート1) (PDFファイル: 230.2KB)
資料1-(9)_newborn展(アンケート2) (PDFファイル: 1.1MB)
資料2-(1) リキッドスケープ展概要 (PDFファイル: 4.2MB)
資料2-(2) はじまりの感覚展概要 (PDFファイル: 684.7KB)
資料2-(3) 令和6年度地域アートプロジェクト概要 (PDFファイル: 771.3KB)
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更新日:2024年12月10日