ヒトパピローマウイルス(HPV)予防接種/子宮頸がん予防

ヒトパピローマウイルス(HPV)とは

ヒトパピローマウイルス(HPV)は性経験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。
子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がんなどのがんや、尖圭コンジローマ等、多くの病気の発生に関わっています。
特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。

子宮頸がんとは

子宮頸がんは、子宮頸部という子宮の出口に近い部分にできるがんです。日本では毎年、約1.1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約2,900人の女性が子宮頸がんで亡くなっています。また、若い年齢層で発症する割合が比較的高いがんです。
子宮頸がんのほとんどが、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染で生じることが分かっています。ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しても、多くの場合ウイルスは自然に検出されなくなりますが、ウイルスの一部が数年~十数年かけて前がん病変の状態を経て子宮頸がんを発症します。

ヒトパピローマウイルス(HPV)予防接種の概要

接種を検討されている方は以下のリーフレットを必ずお読みいただき、このワクチンの有効性とリスク等を十分にご理解いただいた上で母子健康手帳等で接種歴を確認し、体調の良い時に接種を受けてください。

HPVワクチン接種の対象年齢のお子様及びその保護者向けリーフレット(概要版)(PDFファイル:2.8MB)

HPVワクチン接種の対象年齢のお子様及びその保護者向けリーフレット(詳細版)(PDFファイル:3.6MB)

 

■ヒトパピローマウイルス(HPV)
接種対象者

小学6年生(標準的には中学1年生)~高校1年生相当年齢の女子
【令和6年度の対象】平成20年4月2日生~平成25年4月1日生の女子

※キャッチアップ接種について
平成9年4月2日生まれ~平成20年4月1日生まれの女子で3回接種が完了していない方はキャッチアップ接種の対象になります。詳しくはこちらをご覧ください。

接種回数

3回

※15歳になるまでに1回目の接種を9価ワクチンで行った場合は計2回で接種完了も可能

ワクチンの種類

以下の3種類があります。
どのワクチンを接種するかは接種する医療機関にご相談ください。
・2価HPVワクチン(サーバリックス)
・4価HPVワクチン(ガーダシル)
・9価HPVワクチン(シルガード9)
※原則、3回とも同じワクチンを接種します。
ワクチンの種類により接種間隔が異なります。詳細は以下をご覧ください。

 

使用するワクチンについて

  • HPVワクチンは、2価HPVワクチン(サーバリックス)と4価HPVワクチン(ガーダシル)と9価HPVワクチン(シルガード9)の3種類があります。
  • HPV予防接種は原則3回とも同じワクチンを使用しますが、2価HPVワクチン(サーバリックス)または4価HPVワクチン(ガーダシル)を1回または2回接種した方が、医師とよく相談した上で、9価HPVワクチン(シルガード9)で残りの回数の接種を行うことも可能です。

ワクチンごとの効果

HPVワクチンは、子宮頸がんを起こしやすいタイプであるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。そのことにより、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。

 

■ワクチンの種類と予防する型の詳細表
種類 予防する型
2価HPVワクチン
(サーバリックス)
70%の子宮頸がん(16,18型)などのヒトパピローマウイルス感染症

4価HPVワクチン(ガーダシル)

70%の子宮頸がん・肛門がん(16、18型)、尖圭コンジローマ(6、11型)などのヒトパピローマウイルス感染症


9価HPVワクチ

(シルガード9)

90%の子宮頸がん(16、18、31、33、45、52、58型)、尖圭コンジローマ(6、11型)などのヒトパピローマウイルス感染症

HPVワクチン接種により自然感染で獲得する数倍量の抗体を、少なくとも12年維持することが海外の臨床試験により明らかになっています。
また、HPVは一度でも性的接触の経験があれば誰でも感染する可能性があることから、HPVワクチンを接種する場合は、性交渉開始前に接種することが推奨されています。
なお、子宮頸がんは検診で比較的早期に発見できるがんであるため、子宮頸がん予防には、ワクチン接種の有無に関わらず20歳になったら2年に1度、定期的に検診を受けることが大切です。

 

■ワクチンごとの接種間隔
ワクチンの種類 標準的な接種間隔
2価HPVワクチン
(サーバリックス)
2回目:1回目から1か月の間隔をあけて接種
3回目:1回目から6か月の間隔をあけて接種
 
<標準的な接種間隔で接種ができない場合>
2回目:1回目から1か月以上の間隔をあけて接種
3回目:1回目から5か月以上かつ2回目から2か月半以上の間隔をあけて接種
4価HPVワクチン(ガーダシル)
2回目:1回目から2か月の間隔をあけて接種
3回目:1回目から6か月の間隔をあけて接種
 
<標準的な接種間隔で接種ができない場合>
2回目:1回目から1か月以上の間隔あけて接種
3回目:2回目から3か月以上の間隔をあけて接種

9価HPVワクチン

(シルガード9)

2回目:1回目から2か月の間隔をあけて接種
3回目:1回目から6か月の間隔をあけて接種
【1回目の接種を15歳になるまでに受ける場合】☆2回で接種を完了することが可能
2回目:1回目から6か月の間隔をあけて接種
 
<標準的な接種間隔で接種ができない場合>
【1回目の接種を15歳になるまでに受ける場合】
■接種回数2回で完了させる場合
2回目:1回目から5か月以上の間隔をあけて接種
※5か月未満で接種した場合、3回接種が必要になります。
■接種回数3回の場合
下記「1回目の接種を15歳になってから受ける場合」と同じ
【1回目の接種を15歳になってから受ける場合】☆接種回数は3回
2回目:1回目から1か月以上の間隔をあけて接種
3回目:2回目から3か月以上の間隔をあけて接種

 

予診票

対象者に、中学1年生になる年の4月中旬までに郵送します。

※令和6年度分は令和6年3月末に発送済み

☆2回接種で完了を希望する方
3回目の予診票はご自身で破棄していただくようお願いいたします。

 

【キャッチアップ接種対象者】
市内医療機関で接種する場合・・・医療機関にあります
市外医療機関で接種する場合・・・保健予防課で発行しますので、接種前にお問い合わせください。

接種場所(接種日時等は医療機関に直接お問い合わせください)

市内の医療機関
※実施医療機関は予防接種・各種健康診査が実施できる医療機関一覧(PDFファイル:480.7KB)をご確認ください。
※市外の医療機関での接種を希望する場合はこちらをご確認ください。

 

接種費用

無料

 

接種当日の持ち物

・市から送付された通知またはハガキ
※対象者の氏名下に印字された8桁の番号を予診票に記入します。接種の度にこの番号を予診票に記入する必要がありますので、接種が完了するまで大切に保管してください。
・予診票(定期接種の方は上記の通知に同封されています)
・母子健康手帳
・健康保険被保険者証
・福祉医療費受給資格者証

ヒトパピローマウイルス(HPV)予防接種の副反応

HPVワクチン接種後には、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどが起こることがあります。
痛み等の頻度が高いワクチンであり、接種の痛みや緊張のために、血管迷走神経反射が出現し、失神することもあります。
接種後は少なくとも30分間は背もたれのある椅子に座っていただき、座位で様子をみてください。前に倒れる場合がありますので、注意して様子を観察してください。

HPVワクチンを受けたお子様と保護者の方へ(PDFファイル:18.8MB)

■各ワクチンの副反応について
発生頻度 2価HPVワクチン
(サーバリックス)
4価HPVワクチン
(ガーダシル)
9価HPVワクチン
(シルガード9)
50%以上 注射部位の疼痛・発赤・腫脹、疲労 注射部位の疼痛 注射部位の疼痛
10~50%未満 かゆみ、腹痛、筋痛、関節痛、頭痛など 接種部位の紅斑・腫脹 接種部位の紅斑・腫脹、頭痛
1~10%未満 じんましん、めまい、発熱など 頭痛、接種部位のそう痒感、発熱 浮動性めまい、悪心、下痢、発熱、疲労、接種部位のそう痒感・内出血など
1%未満 接種部位の知覚異常、感覚鈍麻、全身の脱力 下痢、腹痛、四肢痛、筋骨格硬直、倦怠感、接種部位の硬結・出血・不快感など 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、倦怠感、接種部位の出血・血腫・硬結など
頻度不明 四肢痛、失神、リンパ節症など 失神、嘔吐、関節痛、筋肉痛、疲労など 感覚鈍麻、失神、四肢痛など

サーバリックス添付書類(第14版)、ガーダシル添付書類(第2版)、シルガード9添付文書(第1版)より改編

まれだが、起こるかもしれない重い症状

  • アナフィラキシー:呼吸困難、蕁麻疹などを症状とする重いアレルギー
  • ギラン・バレー症候群:両手足の力の入りにくさなどを症状とする末梢神経の病気
  • 急性散在性脳脊髄炎(ADEM):頭痛、嘔吐、意識の低下などを症状とする脳などの神経の病気
  • 複合性局所疼痛症候群(CRPS):外傷をきっかけとして慢性の痛みを生ずる原因不明の病気

接種後の相談窓口等

HPVワクチンを接種した後に気になる症状が生じた場合等の相談窓口があります。

詳しくは下記リンク先をご覧ください。

関連サイト

参考資料


【YouTube動画(URL)】https://youtu.be/KHx6BzKvHWQ

↑ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を予防するためのHPVワクチンについて解説しています。

≪出典情報≫
動画制作総括責任者:片山佳代子(群馬大学情報学部)
医療監修:上田豊(大阪大学医学部産婦人科)
制作協力:株式会社NHKエンタープライズ
制作費:・MSD-Investigator-Initiated Studies2021(PI:Kayoko Katayama)
                ・JSPS科研費JP21H03286(代表:片山佳代子)

 

この記事に関する
お問い合わせ先

健康部 保健予防課 予防接種係

電話:027-212-3707 ファクス:027-224-0630
〒371-0014 群馬県前橋市朝日町三丁目36番17号 前橋市保健所2階
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更新日:2024年03月01日